2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、
分煙化の動きを進めていくことの必要性が高まっています。
新宿区では条例により新宿区内全域で路上喫煙は禁止されています。
私も幼少期には煙を吸うと発作が出てしまい場合によっては病院での治療が必要な状況で、
タバコが近くにあることは大きな恐怖でした。
また、歩きタバコが子どもの目線であることから接触する事故が起きたこともあり、
グリーンバード新宿でお掃除をしても一番多いのがタバコの吸殻です。
様々な観点からタバコに対してはネガティブな印象を持っていましたが、
この度、新宿区民の女性からも「夜間の歩きたばこによって不快な思いをしたことがある」とのご意見をいただいていたこともあり、
6月の議会で路上喫煙に関する質問をいたしました。
※質問、答弁は要約です。
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伊藤陽平:
「過料(前科のつかない罰金)など罰則化を導入することは、公平性が担保できないことなどから難しい。」
以前議会でもこのような議論がありました。
駅周辺の路上喫煙は減少していますが、一方で住宅地の生活道路などは喫煙する姿が目立ちにくいため、堂々と歩きたばこが行われている現状もあります。
路上喫煙に関して、現在ある条例の他に新たな対応を進めていくことはお考えでしょうか。
吉住健一区長:
条例には罰則はありませんが、巡回指導や啓発キャンペーンにより、
駅周辺に関しては4%以上から0.2%以下まで大幅に減少し一定の成果をあげています。
また、調査の結果生活道路や夜間にも喫煙が見受けられることから、
生活道路でも見回りを実施し、平成25年度からは夜8時まで時間を延長しています。
オリンピック・パラリンピックに向けて国際都市新宿は、
今後ともより効果的な指導、啓発を検討し路上喫煙対策に取り組んでいきます。
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このようなご答弁をいただきました。
また、日本を代表する観光都市である京都市では、
路上喫煙禁止区域における過料を設けています。
過料の導入後、路上喫煙による過料処分数は、
2012年が6,800人、2014年が2,800人と
半分以下まで減少したことから罰則化には一定の効果があると推測されます。
一方で近年の外国人観光客増加の影響もあり、
周知が行き届いていないことから外国人の禁止区域での路上喫煙が増加し行政が対策を講じるという事態になっています。
路上喫煙禁止の注意喚起をする看板の他に、
英語で市の監視指導員が説明したり、
他言語での紙媒体などの取り組みが行われています。
外国人観光客で賑わう新宿区でも、
今後はもう一歩進んだ改善が必要だと考えています。
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吸い殻のポイ捨て、タバコと接触する危険、
そして自らも経験した健康被害を考えると、
罰則化は止むを得ない思っています。
しかし、単に罰則を設けたとしても、
隠れて吸うことや、屋内での分煙が徹底されていなければ根本的な問題は解決しません。
一方で喫煙する権利を主張する立場も当然ながら考えなければなりません。
今後、タバコを吸う方が極端に萎縮しなければならないような状況になってしまうこともあるかもしれません。
2014年には喫煙者の地位向上を政策として打ち出し衆議院選挙へ立候補された方もいらっしゃいました。
喫煙者の権利とはどのように折り合いをつけていくのか、
考えていかなければなりません。
立場によって考え方は異なるのがタバコの問題です。
皆様はどうお考えでしょうか。
それでは本日はこの辺で。