都庁や防衛省の上?羽田空港機能強化でテロの脅威

数ある行政サービスの中でも極めて優先順位が高いのものは、区民の安全・安心を守ることだと考えています。
今回はこれから議論すべき課題の一つ、羽田空港の機能強化に関する問題をご紹介します。

羽田空港の機能強化に関する動向について(新宿区ホームページ)

何度か当ブログでも書かせていただきましたが、簡単にご説明させていただきます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて空の需要が増大することを見越し、羽田空港を利用する利用する飛行機の本数を増やそうというものです。

そこで機能強化を可能とする新たなルートを模索していたところ、千葉県を飛行する案などもありましたが、新宿区上空を活用する案が登場し、現在では現実味を帯びてくることになりました。

この案では西新宿や市ヶ谷のあたりも通過することになりますが、ここは東京都庁、世界一の乗降客数の新宿駅、あるいは防衛省などが密集するエリアなんです。

新宿区上空を飛行ルートにすることは、近年問題になっている航空機爆破テロのリスクが高まることを意味します。
なぜなら、何もないところよりも、インパクトのあるスポットの方がテロのターゲットになる可能性が高まるからです。

また、都庁や防衛省を狙う際には航空機がルートを変更して向かってくることになります。
例えばルートが新宿区とはまったく関係ない場合は、ルートを変更し、新宿区を目指すということが必要になります。
この場合、異状を察知して対処をすることもできるかもしれません。

しかし、新宿区上空を日常的に航空機が飛ぶことになれば、どの航空機が安全かそうでないのか瞬時に判断することは難しく、テロがやってきても気がつくことが難しくなる恐れがあります。

そもそも、首都の上を航空機が通過すること自体、リスクを高めることは明らかで、冷静に判断すれば避けたい飛行ルートになるはずです。

この案が問題ないということを示すために、国土交通省は海外でも首都上空を飛行していると説明をしていますが、果たして本当でしょうか。
モスクワは飛行しておりませんし、ヒースロー空港も羽田のように大型機はたくさん飛んでいませんし、しっかりと緩衝帯があります。

ワシントンの上空には航空機が飛んでいるという指摘もあると思います。
しかし、ワシントンの場合、人が多いエリアは避け川の上を飛行していますし、加えて戦闘機F-16が即応体制、狙撃銃を搭載したヘリや地対空ミサイルで武装しているため、ある程度の対処をすることが可能です。

無防備な東京都とはまったく状況が異なると言えるでしょう。

そして新宿区としても羽田空港の機能強化について議論を行っていますが、危機管理案件としての認識は皆無です。
現状では、騒音問題として環境整備課が所管しているのみで、危機管理担当部署では当問題には触れていません。

また、これまで行われてきた議論に関しても、千葉県や県基礎自治体が中心となり騒音負担をどこがするかということに主軸が置かれてきました。
もちろん騒音については住民として非常に重要な問題だと思いますが、空路が確定する前に危機管理の観点から検討が必要ではないでしょうか。

9月から第3回定例会がはじまります。
前回から議会ごとに重点テーマを決めて、のぞむことにしました。

前回は市ヶ谷商業跡地における韓国人学校に関する問題をインターネットで受発信し、数千件の電話アンケートなどを行い、都議会と連携し質問の答弁を駆使するなどあらゆる手段を駆使して区民と合意形成を取りながら議会にのぞみました。

過去のブログはこちら↓
新宿区長から韓国人学校の説明責任求める答弁有り

今回の議会では危機管理をテーマとします。
羽田空港の問題は、他にも議論すべき事項がいくつかございますので、改めて解決策を見出し、ご説明させていただきます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社