行財政改革は必要でも大変!桑名市は議会の否決を超えて、原価を基準に行政サービス使用料増額へ

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨日に引き続き、自治・議会・行財政改革等特別委員会で、桑名市への視察でした。
テーマは、行政サービス使用料・手数料の見直しについてです。

公共施設の使用料が平成30年4月1日から変わります – 桑名市〜本物力こそ、桑名力。〜

行政サービスには多大な公費がかかっています。
桑名市の場合、非常に厳しい財政状況を背景に、改革が進められています。
2018年4月にその使用料の見直しが行われました。
主に値上げをすることになりますが、サービス原価によって計算されています。
人件費、物件費、維持補修費、減価償却費を足したものをサービス原価とします。
公共性が高いものは、道路公園などすべて公費負担、スポーツ施設や市民農園など民間的なサービスは100%受益者負担となるよう、行政サービスを分類します。
サービス原価を計算した上で、現在のコストと比べて使用料が低い場合は1.5倍を目安に引き上げとなります。
例えば、これまで1,000円だった使用料を2,500円にすることが妥当と判断される場合もありますが、急激な増額を避けるため1.5倍を上限にしています。
5年を目処に見直しを行われるため、今後はさらなる引き上げも想定されます。

さらに桑名市の場合、すべての場合において引き上げを前提にすることが特徴的です。
サービス原価を計算し、既存の使用料が高いと判断された場合にも、1.2倍の使用料へと改定されています。
利用料を上げると稼働率が下がってしまうこともあり、改定の影響について検証を行うことも大切です。

公共施設と駐車場の使用料および手数料に関する使用料の見直しについての議案が桑名市議会に議案が提出されましたが、一度否決されることになりました。
影響力が大きい議案だからこそ、慎重な対応をされたのだと思います。
しかしその後、議案を修正し、地域への説明や丁寧な議論を進め、最終的には可決されることになりました。

本日の視察では伊藤徳宇桑名市長もお見えになられました。
41歳の若手改革派市長であり、特に次世代への責任には敏感です。

伊藤市長からも、
「行財政改革は言うのは簡単。やるのは難しい。」
とお話があったのが印象的でした。
議案を否決された経緯からも、その言葉の重みが伝わってきました。
行財政改革は本当に重要なことですが、反発を受けることになるため、行政や議会は避けてしまいます。
桑名市では批判をおそれず、ハード面の削減からソフト面の受益者負担の改革まで前に進めることができました。

行財政改革の重要性は高まっていきます。
既存の行政サービスの廃止、経費削減を進めることに加え、使用料の見直しも選択肢の一つとして検討が必要です。
新宿区でも行財政改革を前に進められるよう、議会活動に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社