こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
本日は、第三回定例会でした。
一般質問をいたしましたので、ご報告します。
新宿区では、新宿自治創造研究所と呼ばれるシンクタンクを設置し、EBPMの研究を行なっています。
現在、教育について研究が行われているわけではありませんが、この分野こそEBPMが重要だと考えています。
戸田市教育委員会では、教育政策シンクタンクを設置して、先進的な取り組みが行われています。
戸田市教育委員会は勘と経験と気合の3Kの教育から脱却を目指してEBPMに関して先進的な取り組みを進められていますが、新宿区でも教育改革を推進することが求められます。
以下、質問と答弁です。
伊藤 現在の教育政策はEBPMによって作られたものでしょうか。EBPMで政策を改善するお考えはありますか。
戸田市教育委員会の教育政策シンクタンク等の取り組みについて、情報収集をされていますか。また、どのように評価されていますか。
教育委員会、教員がEBPMによって授業のあり方を見直すということが重要であると考えていますが、何か取り組まれていることはありますか。
教育政策の研究を行うためにも、専門家との連携や教育政策シンクタンクの設置が必要であると考えていますが、いかがでしょうか。
教育長 現在の教育委員会の施策は、平成30年2月に策定した新宿区教育ビジョンに基づいています。教育ビジョンそのものはEBPMの手法により策定されたものではありませんが、教育ビジョンの個別事業の中には、学力定着度調査や体力テスト等の分析結果に基づき事業改善を行なっているものがあります。今後も、EBPMの手法を柔軟に取り入れ、より効率的な教育施策の検討に活かしてまいります。
次に、戸田市教育委員会が令和元年度に教育シンクタンクを設置し、研究成果を公表していることについては把握しています。研究内容には、効果的な指導方法の研究に関する調査研究や学力・学習状況調査との関連性といったテーマをはじめ、デジタル教科書の活用等、多角的な視点が含まれているものと評価しています。
次に、EBPMによる授業のあり方の見直しについてです。ご指摘の通り、データ活用については各校へ依頼し、教育委員会でも分析をしているところです。
例えば、各種学力調査においては、平均値との差や目標値との乖離のみを注目するのではなく、児童・生徒一人ひとりの経年変化や意識調査との相関関係を分析しています。
これについては、教育委員会による研修会でも取り上げ、各校では結果を踏まえて、ICT機器や各資料、実物など視覚に訴える教材を活用したり、タブレット端末を活用して、前の学年の学習内容で課題がある単元を家庭学習とも並行して取り上げるなど具体的な取組を行なっています。また、学校評価については、児童・生徒が各教科のどこに課題を感じているか、学年や学校の傾向を把握することで、日々の授業改善に活かしているところです。
この結果については学力向上のための重点プラン等で保護者や区民へも周知しています。今後も、各データの分析に努め、児童・生徒一人ひとりの基礎的・基本的な学力の向上とともに、必要に応じて教師自身の授業のあり方を見直しながら子どもたちのよりよい学校生活を支えてまいります。
次に、教育政策の研究に向けた専門家との連携や、教育政策シンクタンクの設置についてです。新宿区教育ビジョンを策定するにあたっては、教育懇談会を開催し、「人間性・社会性の基礎を培う幼児期の教育について」、「心のバリアフリーとインクルーシブ教育について」等のテーマで、学識経験者から講和をいただくとともに、意見交換を行うことで、教育ビジョンの内容の充実を図りました。
また、学校では、日頃から校内研究において大学教授等を講師として招いており、専門家との連携により教育活動の充実を図っています。このほか、教育委員会においても、第三者評価制度を設け、学識経験者や研究者が評価委員として学校を訪問し、教育課程の取組状況の評価や改善の提案をしています。
教育委員会に教育政策シンクタンクを設置することは考えていませんが、引き続き、専門家との連携を図ることなどを通じて、教育施策の質の向上に努めてまいります。
EBPMについて一定のご理解はいただいております。
子どもたちのためにも、教育の質をさらに高められるよう、また説明責任を果たせるよう議会で引き続き提言を続けます。
それでは本日はこの辺で。