不合理な校則等とスクールハラスメント対策を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

不合理な校則等とスクールハラスメントについて質問しました。

ある区立中学の女性生徒の保護者の方から「小学校では認められていた体育における上着の着用が中学校では認められなかった」というご意見をいただきました。
他にも「ハンドクリームの使用が認められなかった」あるいは「修学旅行の際に癖毛だから整髪料を使いたいという申し出が認められず嫌だった」というご意見もいただきました。
この生徒が通う学校では子どもたちの人権を守るという意識が欠けています。

校則等は学校で決めるべきことではありますが、きっかけがなければ改善は難しいです。ブラック校則として議会でも議論が行われてきましたが、人権を軽視したり合理性の認められない校則等を改めるために教育委員会が改善を求めることが必要です。

また、スクールハラスメント対策も大切です。
区立小学校の女子児童の保護者の方から「プールのときに先生が密着してくることを児童が嫌がっている」「特定の女子児童と距離が近い」など心配の声をいただきました。
このような問題は、学校にも相談しにくいようです。
もちろん、児童生徒から求められたり、その場のコミュニケーションによってスキンシップが多くなることもあると思います。
教育委員会が指導することで、線引きができた方が教員も安心して授業ができると思います。

以下、質問と答弁の要旨です。

伊藤 児童・生徒に上着、ハンドクリーム、整髪料などを使用させないルールは問題ではないでしょうか。教育委員会として何か対策はお考えでしょうか。
これまでも校則の点検が行われてきましたが、すぐに見直す学校と対応が遅い学校とで差があるようです。時代の変化に対応するためにも、人権を軽視したり合理性のない校則の見直しを年次で教育委員会主導で行うことが必要だと考えていますが、いかがでしょうか。
プールでの密着、距離のとり方などについて指導していることはありますか。
スクールハラスメント対策について何か取り組まれていること、また今後取り組まれることはありますか。

教育長 はじめに、校則などのルールについてです。
校則とは、学校が教育目的を実現していく過程において、児童・生徒が遵守すべき学習上または生活
上のきまりとして、最終的に校長によって制定され
ているものです。

教育委員会では、本年度4月と12月に「各校にお
ける校則等の点検や見直しについて」を通知し、「定められた項目は、全ての児童・生徒の人権に配慮したものであるか」「現時点の社会通念上、常識の範囲
といえるものか」「決まりを設定した理由について、すべての教職員が説明できるか」等の視点から、定期的に点検するよう各校に周知しています。
各校では、児童・生徒や保護者、地域の方などの意見を広く集め、教員に加え、生徒が見直しに参加するなど生徒が主体となって、校則等の見直しを行っている学校もあります。例えば、中学校では夏季期間着用のポロシャツを白に加えて紺色を導入したり、鞄の形や靴下の色を見直したりしています。こうした各校での取組があることから、教育委員会主導による校則等の見直しを行う予定はありませんが、今後も定期的に校則等の点検や見直しについての周知を行うとともに、児童・生徒や保護者への理解を図れるよう、引き続き取り組んでまいります。

次に、スクールハラスメントについてです。各校では、服務事故防止研修を定期的に実施して
います。セクシュアル・ハラスメント等の禁止に関する内容では、指導に不必要な身体接触を行わないこと、良かれと思って行った言動が、相手を不快にさせる場合があることを理解すること、ハラスメント行為を行ったのではないかと疑われる教職員がいる場合、速やかに管理職に相談したり報告したりしなければならないことなどを確認しています。
お尋ねの水泳の指導に限らず、学校では児童・生徒の手を取るなどの身体接触が必要な指導があります。その際にも、不快に感じる言動はセクシュアル・ハラスメントであることを自覚することが重要です。今後も研修等を定期的に行い、適切な指導が行われるよう取組を継続してまいります。

子どもたちの選択肢をさらに増やし、スクールハラスメントのない学校を目指して改革に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社