こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
これまで関係者からご意見をいただいており、ブログでもご紹介させていただいた医療的ケア児の保護者待機の問題について質問をいたしました。
新宿養護学校には、医療的ケア児、特に吸引が必要な児童・生徒、急な変化が起こりやすい児童・生徒がいます。
その保護者の方が、学校に待機しなければならない場合があります。
保護者の方は、お仕事等をすることも難しく、時間の確保も難しい環境におかれています。
現在は融通がきくように改善されましたが、以前は学校で待機する保護者の方がお昼を買いにコンビニへ行くことさえも難しい時代があったと、関係者から聞いています。
もちろん、児童・生徒の命を守ることが最優先です。
教員や看護師が児童・生徒の状況を理解するために、保護者の方とのコミュニケーションは必要だと考えています。
しかし、保護者の環境を改善することも大切です。
今年度も非常勤の看護師を増員されましたが、医療従事者が増えれば、病院と同じ考え方で、緊急時に対応することが可能となります。
さらに、教員が認められる医療的ケアの実施研修をより積極的に行っていくことも必要ではないかと考えています。
東京都では動きがあり、令和二年度から、都立特別支援学校では人工呼吸器が必要な児童・生徒に対して支援を行い、保護者の付き添いが不要となる見通しです。
新宿養護学校でも、都の対応に準じた対策が求められると考えています。
東京新聞:重度医療的ケア児 通学OKに 保護者の終日付き添いなしでも:東京(TOKYO Web)
以下、質問と答弁です。(長いです)
伊藤 新宿養護学校における保護者待機の現状について教えてください。
保護者が待機をする必要がないよう何か計画等を立てられていますか。
医療従事者を増やし、教員が認められる医療的ケアの実施研修をより積極的に行うことは有効だと考えていますが、いかがでしょうか。
人工呼吸器が必要な児童・生徒について、都立特別支援学校に準じた対応は可能でしょうか。教育委員会のお考えをお聞かせください。
教育長 はじめに、新宿養護学校における保護者待機の現状についてです。
新宿養護学校では、医療的ケアが必要な児童・生徒については、医療的ケアがその種類や頻度など、一人ひとりの状態に合わせた対応が必要なことから、学校内に設置する医療的ケア委員会における医師等の判断を踏まえ、保護者の待機を依頼しています。
特に、入学後の一定期間は、看護師等が児童・生徒の医療的ケアの留意点などを把握する必要があることから、保護者に入念に確認しながら、安全に医療的ケアが実施できる体制を整えています。また、児童・生徒の健康状態や活動内容によっては、医療的ケア委員会の判断により、新たに待機を依頼する場合もあります。
今年度、新宿養護学校に医療的ケアを必要とする児童・生徒は、通学席13名、訪問籍1名の計14名が在籍しており、そのうち1名の児童が、身体の状態により、11月から保護者の待機を必要としています。次に、保護者の待機を必要としないための取組についてのお尋ねです。
医療的ケア児の保護者の学校内の大気については、児童・生徒の自立を促すとともに、保護者の就労等を支援する観点から、可能な限り必要最小限にとどめることにしています。
入学後の保護者の待機期間を短縮するため、今年度から医療的ケア児の状態の把握時期を早め、入学前から、医療的ケア委員会を開催し、入学後の医療的ケアが円滑かつ適切に実施できるよう見直しを行いました。この取組により、これまでより保護者の待機期間の短縮に繋がったところです。
今後も医療的ケア児の生命・身体の安全を最優先に考えながら、保護者の学校内での待機については、必要な期間を適切に判断してまいります。次に、医療的ケアを実施できる職員の増員及び教員の医療的ケア実施研修についてのお尋ねです。
新宿養護学校では、医療的ケア児に対応するため、ご指摘のとおり今年度から非常勤職員の看護師を1名増員したところです。
教員が医療的ケアを行うためには、個別の児童・生徒ごとに一定の研修を終了し、認定を受ける必要があります。認定を受けることで、一定の条件のもと、その児童・生徒に対する喀痰吸引や経管栄養などの特定の医療的ケアを行うことができるようになります。そのため、教員が複数の児童・生徒に対して医療的ケアを実施できるよう東京都が実施する研修への積極的な受講を促しています。
これらの取組を通して、現在、学校内で安全に医療的ケアを実施する体制が確保されていると認識しています。
今後も、医療的ケア児の在籍状況、必要な医療的ケアの内容や頻度等を踏まえ、児童・生徒が安全に過ごすことのできるよう人的体制の確保に取り組んでまいります。次に、人工呼吸器が必要な児童・生徒についてのお尋ねです。
新宿養護学校で実施する医療的ケアについては、「新宿区立新宿養護学校医療的ケア実施要綱」及び「新宿区立新宿養護学校医療的ケア実施要領」に基づき、都立の養護学校に準じた対応を行っています。
教育委員会としては、障害のある児童・生徒の自立や社会的参加を目指し、一人ひとりの能力を最大限に伸ばしていくためには、医療的ケアの有無にかかわらず区立学校で学ぶ機会を整えることが重要であると認識しています。
人工呼吸器を使う児童・生徒の医療的ケアについては、生命に直結する対応であることから、保護者の付添いを不要とするに当たっては、安全な体制整備とともに、医師等による慎重な判断が必須であると考えています。
今年度中に東京都教育委員会が実施に向けたガイドラインを作成する予定であり、その内容を十分に踏まえた上で、看護師の配置や教員研修のあり方など様々な課題を検討するとともに、都立学校での実施状況などを見極めながら慎重に検討していく必要があると考えています。
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他の会派からも類似する質問がありましたが、関心が高まっているタイミングのため、教育委員会や新宿養護学校でも丁寧にご議論をいただきました。
医療従事者の数や実施研修についてもご検討いただき、都のガイドラインも踏まえるとのご答弁があり、現場での状況が一歩前進することに期待しています。
妹が都立特別支援学校で教員だったことから、身近なテーマでもあります。
引き続き、医療的ケア児の支援について議会でも取り組んでまいります。
それでは本日はこの辺で。