防災キーワードは「おうた」。八戸市教育委員会の防災ノートは東日本大震災の教訓を生かす

本日は文教子ども家庭常任委員会の視察2日目。
秋田県大仙市から移動し、青森県八戸市へお伺いしました。

本日のテーマは、「東日本大震災の教訓を活かした防災教育」についてです。

青森県八戸市といえば、
東日本大震災で被害を受けた自治体として、
メディアでも大きく取り上げられたことは記憶に新しいでしょう。

八戸市教育委員会での防災教育の取り組みは大きく3つです。

1.小中学校における防災体制の強化
2.防災ノートの活用
3.防災教室支援事業

1つ目の小中学校における防災体制の強化というのは、
避難訓練、避難場所および避難経路の設定、教職員への研修等の取り組みです。
八戸市立小中野小学校でら八戸工業大学と連携し、
「安全点検マップ」作りを実施しています。

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また、3つ目の防災教室支援事業とは、
防災士、消防士、高等教育機関等教員を講師として派遣し、
子どもの能力育成を図る取り組みです。

そして、特に質が高いと感じた取り組みが、
八戸市教育委員会によって作成された、
小学校、中学校用の「防災ノート」です。

八戸市ホームページからダウンロードが可能です。
「八戸版防災ノート」を作成し、配付しました

東京都在住の方は、
今年配布された「東京防災」という本をお持ちの方もいらっしゃると思います。
小学生〜高校生向けには「東京防災・防災ノート」があります。
防災ノート「東京防災」の作成について

八戸市教育委員会では、
東日本大震災の教訓を踏まえ、
子どもが自分自身の頭で考え、
「自分の命は自分で守る」ことを目的に、
防災ノートが作成されました。

小学生(下学年、上学年)、中学生のそれぞれを対象にした、
3冊の防災ノートの現物もいただきました。
テキストから知識を得ることはもちろん、
子ども自身が考え、書き込めるようにもなっています。

八戸市教育委員会の防災ノートでも説明されていた、
「おうた」というキーワードをご存知でしょうか。

私が小学生の頃には「おはしも」というキーワードを学びました。
おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない、
この4つの頭文字をとったものです。

新しいキーワードである「おうた」は、
おちてくるもの、うごいてくるもの、たおれてくるもの、
それぞれ3つの頭文字を合わせた言葉です。

八戸の方は、地震が発生すると、
すぐに「おうた」が頭に浮かぶようになっています。

もちろん、防災ノートを座学として学ぶだけではありません。
災害が起きたことを想定した体験型の学習により、
体を動かし、子どもたちが避難方法を見つけ、
知識をを身につけていきます。

教師側から一方的に教えるのではなく、
子どもの主体性を尊重した防災教育が行われていました。

東日本大震災以前の八戸市では、
避難訓練は行われていましたが、受動的な防災教育が中心だったそうです。

震災以降、教育内容を大きく変更したことで、
子どもたちは頭や体を動かし、
能動的に学習に取り組むようになりました。

津波の被害をなど、新宿区とは環境は大きく異なりましたが、
八戸市教育委員会の取り組みは大変勉強になりました。

新宿区の防災教育にも活かしていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社