本日は文教子ども家庭常任委員会の視察2日目。
秋田県大仙市から移動し、青森県八戸市へお伺いしました。
本日のテーマは、「東日本大震災の教訓を活かした防災教育」についてです。
青森県八戸市といえば、
東日本大震災で被害を受けた自治体として、
メディアでも大きく取り上げられたことは記憶に新しいでしょう。
八戸市教育委員会での防災教育の取り組みは大きく3つです。
1.小中学校における防災体制の強化
2.防災ノートの活用
3.防災教室支援事業
1つ目の小中学校における防災体制の強化というのは、
避難訓練、避難場所および避難経路の設定、教職員への研修等の取り組みです。
八戸市立小中野小学校でら八戸工業大学と連携し、
「安全点検マップ」作りを実施しています。
![map1](http://itoyohei.com/wp-content/uploads/2015/10/map1-225x300.jpg)
また、3つ目の防災教室支援事業とは、
防災士、消防士、高等教育機関等教員を講師として派遣し、
子どもの能力育成を図る取り組みです。
そして、特に質が高いと感じた取り組みが、
八戸市教育委員会によって作成された、
小学校、中学校用の「防災ノート」です。
八戸市ホームページからダウンロードが可能です。
「八戸版防災ノート」を作成し、配付しました
東京都在住の方は、
今年配布された「東京防災」という本をお持ちの方もいらっしゃると思います。
小学生〜高校生向けには「東京防災・防災ノート」があります。
防災ノート「東京防災」の作成について
八戸市教育委員会では、
東日本大震災の教訓を踏まえ、
子どもが自分自身の頭で考え、
「自分の命は自分で守る」ことを目的に、
防災ノートが作成されました。
小学生(下学年、上学年)、中学生のそれぞれを対象にした、
3冊の防災ノートの現物もいただきました。
テキストから知識を得ることはもちろん、
子ども自身が考え、書き込めるようにもなっています。
八戸市教育委員会の防災ノートでも説明されていた、
「おうた」というキーワードをご存知でしょうか。
私が小学生の頃には「おはしも」というキーワードを学びました。
おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない、
この4つの頭文字をとったものです。
新しいキーワードである「おうた」は、
おちてくるもの、うごいてくるもの、たおれてくるもの、
それぞれ3つの頭文字を合わせた言葉です。
八戸の方は、地震が発生すると、
すぐに「おうた」が頭に浮かぶようになっています。
もちろん、防災ノートを座学として学ぶだけではありません。
災害が起きたことを想定した体験型の学習により、
体を動かし、子どもたちが避難方法を見つけ、
知識をを身につけていきます。
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教師側から一方的に教えるのではなく、
子どもの主体性を尊重した防災教育が行われていました。
東日本大震災以前の八戸市では、
避難訓練は行われていましたが、受動的な防災教育が中心だったそうです。
震災以降、教育内容を大きく変更したことで、
子どもたちは頭や体を動かし、
能動的に学習に取り組むようになりました。
津波の被害をなど、新宿区とは環境は大きく異なりましたが、
八戸市教育委員会の取り組みは大変勉強になりました。
新宿区の防災教育にも活かしていきたいと思います。
それでは本日はこの辺で。