子どもの命を守るため、自然災害から事件・事故まで即応力強化を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

子どもの安全・安心について代表質問をいたしました。

子どもたちの命を守ることは、最も大切です。
昨今、子どもが関わる事件・事故が報じられ、多くの方から保育園、幼稚園、子ども園、学校等の危機管理体制について、ご心配の声をいただいております。

まず、多くの会派からも要望がありましたが、お散歩コースや通学路の確認、ガードレール、ポールの設置等は有効だと考えています。

他会派とも重複するため、私は少し別の視点から質問を考えました。
危機管理全般についてを扱い、不測の事態が生じた場合でも、現場の判断で子どもの命を守るために即応力を高めることについて提言をしました。

新宿区立学校危機管理マニュアル等によって、情報提供が行われています。自然災害から不審者対応、さらに国民保護まで幅広く対応しなければなりません。
マニュアルの内容を確認させていただきましたが、電子端末を操作するなど膨大な内容かつ特殊な業務も多くありました。
今後、専門家のご意見も伺いながら、初動で必要な事項を簡略化して瞬時に対応できるよう工夫が必要ではないかと考えております。

さらに、マニュアルを暗記することが難しいことに加え、現場ではマニュアルにはない不測の事態が起こることも想定されます。
そのため、即応力を強化することも大切です。避難訓練のような決まった動きを確認することも重要ですが、状況付与型の危機管理演習を実施することが有効だと考えています。

伊藤 3点質問があります。

1.保育園、幼稚園、子ども園、学校等で、危機管理マニュアル等の見直しはどのような頻度で、どのような方法で行われているのでしょうか。その際に危機管理の専門家の意見が反映されているのでしょうか。
2.現場では、危機管理マニュアルの内容が十分理解されているのでしょうか。また、現場の習熟度は把握されているのでしょうか。
3.問題が発生した際、マニュアル通りに対応できるとは限りません。現場でも状況付与型の危機管理演習を実施することで即応力を強化することが必要だと考えていますが、対策はどのように取られていますか。

区長と教育委員会のお考えをお聞かせください。

吉住区長 通常各園では、国等からの通知や園の人事異動、福祉サービス第三者評価の講評を受けた場合など、必要に応じて見直しを行なっています。また、各園で策定されている危機管理マニュアルの内容は、国から示されたガイドラインなどを参考にしていますが、危機管理専門家の意見を聞きながら、マニュアルに反映させている事業者もあります。
また、区では、今年4月に区内の保育所等に勤務する保育士を対象に、危機管理の専門家を招いて研修を実施しました。マニュアルだけでなく、保育士の危機管理意識を高め、知識を深めることができるよう、こうした機会を捉えて支援をしていきます。

次に、危機管理マニュアルの現場の理解と習熟度についてです。
保育所等の危機管理については、マニュアルの整備だけではなく、災害時や緊急時に対応できるよう現場での理解が不可欠です。各園では、毎月避難訓練を実施しており、このほか、救急対応や不審者対応訓練も実施しています。指導検査の際には、訓練の記録や職員会議の内容から、習熟度が高まっていることを確認しています。

次に、状況付与型危機管理演習による即応力の強化についてです。
現在、各園では、警察や消防等の協力を受けながら、実践的な訓練を行なっています。不審者対応訓練では、警察官が不審者役となり、緊張感のある訓練を実施しています。こうした訓練を繰り返すことによって、即応力の強化に努めてまいります。

教育長 教育委員会では、幼児・児童・生徒の安全の確保を図るため、危機等の発生時に学校がとるべき行動の具体的内容や手順を示した、全校共通の「新宿区立学校危機管理マニュアル」を平成23年4月に定めました。各学校では、組織図や名簿など、学校が独自で定める事項をこれに追加し、学校毎のマニュアルを作成しています。

人事異動等による校内体制や役割分担の変更等、学校独自の事項については、各校で毎年マニュアルを改定するとともに、共通部分については、必要に応じて教育委員会で見直しを行なっています。
共通部分の見直しに当たっては、毎年度、校園長や危機管理課長、特別出張所長等の関係各課を含めた学校防災連絡会を開催しており、危機管理課の専門的知見を参考にしながら検討を行なっています。

昨今の子どもが関わる事件・事故のような、児童・生徒等を取り巻く新たな安全上の課題や訓練の結果明らかになった課題等を踏まえるとともに、国の通知やマニュアル作成の手引き等との整合を図りながら、より実践的なマニュアルとなるよう見直し・改善を図っています。

次に、学校現場での危機管理マニュアルの理解と習熟度についてです。
各学校では、職員会議や校内研修等でマニュアルについて周知し、全教職員の共通理解を深めています。
そして、地震や火災、不審者対応などの事件・事故の発生時に適切かつ迅速に対処できるよう、マニュアルの実践を含め、さまざまな場面を想定した訓練を毎月実施しています。教職員は訓練での行動や研修等を通じて習熟度を高めており、教職員の習熟度については学校長が把握しています。

次に、状況付与型の危機管理演習の実施についてです。
教職員は、子どもを守る立場として、冷静かつ機敏な態度で的確に状況を把握し、状況に応じた臨機応変な行動をとる必要があります。
学校での状況付与型の危機管理演習は、教職員が実践的な態度や能力を養うために有効であると考えますので、今後、各学校で行う訓練の参考となるよう、効果的な実施方法などについて検討を行なってまいります。

もちろん、学校等のみならず、公共施設等のすべての場所で即応力を高める必要性があります。
情報提供や訓練の機会を増やす工夫が必要です。

私自身も研修等を通じて危機管理について機会を増やし、安全・安心な街を目指します。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社