危機管理はマニュアルだよりからシミュレーション演習へ

東宝さんからゴジラの肖像画を新宿区に寄贈いただきました。

ただいま、シン・ゴジラが大ヒット上映中。
私も、歌舞伎町にあるTOHOシネマズ 新宿で観てきました。

賛否両論あるとは思いますが、政治家であれば危機管理について考えるきっかけになるのではないかと思います。

あまり知られていませんが、ゴジラのように何か大きな問題が発生した際には、基礎自治体が住民の安全を守ることになります。
自衛隊が対応するようなイメージがあると思いますが、二十数万人程度でそれぞれ仕事も異なるため、とてもではありませんが、多くの自治体へ入って対応することはできません。

そこで、新宿区でも危機管理に関する資料がたくさんありますが、一つご紹介します。

新宿区国民保護計画(本編・資料編) [PDF形式:3.3MB] (新規ウィンドウ表示)

この資料によると、NBC(核、生物、化学剤)を使用した武力攻撃があった場合、「新宿区」が、防護服を着用し被災者の救助、あるいは情報収集をすることになっています。

例えば、防護服は核、生物、化学剤それぞれに対応したものを用いますが、防護服の選択一つを誤るだけで命に関わることになります。
区役所の職員がどこまで被災者の救助や情報収集ができるかは不明です。
仮に職員が対応するとなれば結構命も危ないんじゃないかな…

また、これは典型的なマニュアルの弊害だと思いますが、他の機関への連絡に関してもフォーマットが存在しています。
普段からほとんど使わない書類を取り出しやすい場所へ保管することもやりすぎだと思いますし、不測の事態であれば用紙を探してる場合ではありませんのでフォーマットは廃止すべきでしょう。

危機管理において、用心するにこしたことはありませんし、事前にドキュメントとして状況を想定しておくことも大切です。
しかし、実際にマニュアルに書かれていることが実行できるような環境であるとも限らないということが前提です。
これらのドキュメントは突っ込みどころが満載ですが、1行ずつ検証し、新たにルールを追加したりすることが過剰になってしまいがちです。
そして膨大なマニュアルに従おうとしたがために、現場の対応が遅れてしまう可能性もあります。
そうなれば、助かる命も助からなくなるでしょう。

専門家にご協力をいただきながら、この辺はより詳しく調査していきます。

本当に必要なことは、不測の事態にの対応できるシミュレーション演習です。
不測の事態を想定した演習を繰り返すことでマニュアルもより現実的なものにアップデートすることが可能です。

過去の記事もご参考に↓
危なくなりそうな新宿でテロの脅威に対応していくために

例えば、毎年一度ゴ○ラがやってきたという設定で、演習を行うことで、街のPRと危機管理能力の向上が見込めるのではないでしょうか。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社