こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
区割りの影響により、私の住む西落合(中落合1、3、4丁目、中井1・2丁目、上落合1〜3丁目、西落合1〜4丁目)は東京1区から10区へ変更になりました。
これまで東京1区に関する記事を書いてきましたが、2017年衆院選では東京10区の候補者を中心に演説書き起こしの記事をアップしていきたいと思います。
最初にご紹介させていただくのは、希望の党公認 若狭 勝 候補です。
希望の党 若狭 勝候補
東京都知事選の際に小池百合子東京都知事を応援した際や、希望の党立ち上げメンバーとして、10区の候補者の中では圧倒的にメディアへの露出が多かったのは若狭候補です。
若狭候補は衆議院議員になる以前、検事、弁護士として活動されてきました。
今年は政治塾「輝照塾」の立ち上げたり、著書「参謀力」を発表されるなど、活動は多岐に渡ります。
比例東京ブロック単独での当選でしたが、前回東京10区の補欠選挙から小池都知事の地盤を引き継いでいます。
当時は自民党公認として、安倍総理、山口公明党代表、そして小池都知事による街頭演説会が行われ、与党によるバックアップが行われてました。
選挙戦は、野党統一候補の鈴木ようすけ候補と事実上の一騎打ちとなりましたが、若狭候補の圧勝でした。
2016年東京10区補選
自民 若狭 勝 75,755票(60%)
民進 鈴木 ようすけ 47,141票(37%)
幸福 吉井 としみつ 2,824票 (2%)
しかし、今回は自民党の支持者がそのまま得票につながるとは限りません。
東京10区は6人の候補者がいる、東京1区以上の超激戦区です。
今回は希望の党公認での立候補となりましたが、保守票が割れ、厳しい戦いが予想されます。
新規参入ができないほどにしっかり地盤がかためられていたのかが、一つのポイントになります。
以下、街頭演説会@アイテラス前の書き起こしです。
演説中の発言をできる限りそのまま反映させておりますので、少し読みづらい箇所があるかと思いますが、ご了承ください。
—
—国民目線に立っていない、600億もの税金を使った解散総選挙に怒りを感じる—
このたび、希望の党から立候補いたしました、若狭勝でございます。
まず、みなさんにお訴えしたいことは、今回の解散総選挙によって600億円という多額の税金が使われたということです。
600億円というのは、保育所600個つくれる、そういう金額です。
待機児童の問題、今非常に深刻です。
600億円をなぜそういうところに費やさずに、この解散総選挙のためにお金を使うのか。
それは、安倍自民党が、今この時期に解散総選挙をすれば、自分たちの議席がより減り方が少ない、それほど負けない、そういう自分たちの思惑だけなんです。
まったく国民目線に立っていない。そういう解散総選挙に私は怒りを感じています。
しかも、安倍総裁をはじめとして、こうした解散権は制限していこうという考え方が、すでに自民党の内部でも強いんです。
こうした、自由気ままな解散権というのは、やはり世界中を見ても異常なので制限していこうということが、自民党の中でもすでに決議がされているんです。
にも関わらず、今回は自分たちの議席を多く確保しようという思惑だけで、そうした自分たちで決議していることを棚に上げて、解散総選挙に600億円という多額な税金を使って打って出たわけです。
それこそ、国民目線に立っていない。こうした安倍自民党政権を、私はここでストップさせなければならないと思っています。
—消費税10%よりも、一院制による身を切る改革—
そして、もう一つ消費税の増税です。
消費税を増税するということは、まさしく税収を増やすために増税するんです。しかし、今の経済情勢のもとでは、消費税を増税すれば、税収が減ります。税収が減れば国民生活に悪影響が出ます。
ですから、消費税増税を凍結しようというのが、希望の党の方針なんです。
自民党は消費税を上げることだけを考えて、しかも今回の総選挙の理由として、消費税の使い道を変えるから国民に問うというとってつけたような理由をつけているんです。
そうしたごまかし政治ではダメ。まさしく消費税の増税は経済情勢を見なければダメ、私はそう思うんです。
そして、消費税を上げるんであれば、これが一番大事なことです。国会議員が身を切る改革をするんです。
国会議員は今707人います。こんなにいりません。
委員会においても、スマホをいじったり、小説読んだり、雑誌を読んでる、そうした国会議員が1/3いるんです。
そんな国会議員はいりません。不倫に走る国会議員もいりません。
まさしく国会議員の数を5人10人じゃなくて、200数十人を一気に減らせば良いんです。
そのためには、今衆議院と参議院二つあるのを一院制にするんです。
そうすれば、国会議員の数は250人は減ります。そうすると、税金がそれだけ使い道が削減されます。
そして、この一院制というのは、自民党が120人賛成して衆議院にすでに憲法改正原案を提出しているんです。
ところが、いざ実際に一院制を実現して、国会議員の定数を減らそうとしている各論になると、自分たちの議席に絡む問題だから、みんな反対して、その改正原案がお蔵入りになったんです。
国会議員が身を切る改革をするどころか、自分たちの議席確保というしがらみにすがっているあらわれなんです。
そうした、国会議員の姿勢を正さなければ、消費税の増税なんていうのは、まったくもって筋道が違うんです。
消費税増税のためには、身を切る改革で定数を削減し、歳費、要するに給料を削減するという希望の党の考え方、それこそ国民目線に立った政策だと思います。
—しがらみ政治の加計学園問題を徹底追及—
そして、もう一つ重要なことを申し上げます。
加計学園問題、国会でずっと取り上げられてきました。しかし、国会であまり取り上げられなかったことがあります。
それは非常に重要なことです。何かと申しますと、加計学園が今治市に獣医学部を新設しようとしているこの開設時期、開業時期であります。
本当は、平成31年の4月、再来年の4月だったのを1年前倒しにして、来年の4月に開業、開設するということに決まったんです。
それは誰が決めたかというと、正式な会議ではなく、水面下で安倍総裁と加計孝太郎さんの二人で決められている可能性が高いんです。
なぜ、1年前倒しにしているかと言うと、加計学園の資金繰りが、非常に良くなるんです。
入学金が1年前に入ります。授業料も1年前に入ります。補助金、助成金も1年前に入ります。
そうした加計孝太郎理事長の加計学園の利益を安倍総裁が与えている、まさしく一人の人間、一部の人間に利益を与えるしがらみ政治が、まさにここに、加計学園問題に存在するんです。
ですから、加計学園問題、ごまかし通そうとしている安倍政権、これをキチンと追及しなければ、今後の日本、国政において、まやかし、ごまかしが、ずっと続いてしまうと言うことなんです。それではいけないんです。
みなさんの力で、我々と一緒に、ごまかし政治、安倍総裁が加計学園の加計孝太郎さんと二人で話し合って、開業時期一年前倒しにして、資金繰りを良くするような、一人の人間に利益を与えるような、そういう不正なことを許してはいけないという、今ここで断ち切らなければいけないという大きな力を、みなさんと一緒に醸し出していかなければいけないと思っております。
今、希望の党を立ち上げて、その道に邁進をしなければいけないと思っています。
みなさんの力で、私にその仕事をさせていただきたいんです。
そして、国民の多くの人が希望を抱いて、生活できるような政策を打ち出すための仕事をしたいんです。
みなさん、私に仕事をさせてください。
—安全保障政策については現実的な考え方を持っている—
希望の党で安全保障の問題では現実的な路線を取っています。
野党の立憲民主党という新しい政党がつくられました。あるいは共産党は、まさしく安全保障政策を全部なしにして、全部無効にするという考え方に立っています。
そうした非現実的な安全保障政策では、国民の命は守れません。守り抜くことはできません。
ですから、自民党とは違う、一方で安全保障政策については現実的な考え方を持つ希望の党こそ、国民の命を守り抜き、そして希望を抱きながら国民の多くの人に生活を続けてもらうための政策を打ち出せる、そうした我々希望の党にみなさんの大きなお力をお与えいただきますように、そして東京10区は若狭勝、若狭勝に、みなさんのお一人おひとりの大きな清き一票をお与えくださいますように、心からお願い申し上げまして、お訴えとさせていただきます。ありがとうございます。
—
自民党との違い、他の野党との違いについて、ハッキリと伝わる演説でした。
加計学園に関する若狭候補のブログもご参考に。
また、消費増税凍結など、希望の党の政策については、こちらの記事もご参考に。
希望の党・経済ブレーンが初めて明かす「ユリノミクス 本当の狙い」(安東 泰志) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
現時点での情勢調査を見る限り、希望の党は伸び悩んでいる状況で、東京10区は接戦が予想されます。
自民党や他の野党と差別化されているポイントが浸透しなければ、あるいは希望の党の政策が受け入れられなければ、当選ラインまでの得票は難しいと見ることもできます。
2016年都知事選では、序盤では小池百合子都知事は不利な状況にありました。
しかし、インターネットも含めたメディアを活用で、急速に支持を伸ばし、最終的には当選されました。
今回も選挙期間中に政局をひっくり返すような何かしらの切り札が用意されているか、あるいは途中で新たな争点を設定できるかがポイントになるでしょう。
それでは本日はこの辺で。