こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
教育について質問しましたのでご報告します。
先日、区民の方から
「ある小学校の担任の先生が産休で1学期限りの勤務であることが4月当初からわかっていたのに、8月末まで新担任が公表されなかった。教員の人材不足で教育の質は低下しないのか。」
というご意見をいただきました。現場では様々な事情があると思いますが、直前まで新担任が公表されないのはお子さんや保護者のみなさまの不安にもつながります。
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法についてです。この法律では、残業代を払わず給料の4%を一律支給することになっています。
これは教員定額働かせ放題を許容する制度であり問題です。
定額働かせ放題をやめることが、コストが増加することにつながるとも考えていません。
残業代を支払わないブラック企業ではなく、BPR等の経営改革を実施する企業のように、生産性を向上させることでコストの抑制と質の向上を目指すべきです。
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伊藤 なぜ、速やかに新担任が公表できないことがあるのでしょうか。教育の質の担保についてはどのように考えられていますか。
給特法の問題について新宿区ではどのように認識をされているのでしょうか。国や都とも連携し、この法律を廃止すること、残業代を独自に支払うこと、また業務プロセスの効率化に取り組むことが重要と考えていますが、何か対応はお考えですか。
教育長 はじめに、新担任の公表についてです。
新担任の公表については、原則前担任が在職中は行いません。
また、今回は夏季休業期間中に産休期間となったことから、2学期始業式での紹介となったもので、通常の公表スケジュールと認識しており、特に問題はなかったと考えているところです。
次に、教育の質の担保についてです。本区においては、産休代替教員や学習指導支援員へ年間を通して学習指導力の向上や生活指導力の向上に向けた研修を実施しています。
また、退職校長による授業観察を実施し、授業力の向上に努めるとともに、東京都教育委員会主催の研修会にも参加するよう通知しているところです。
研修や各校の努力により、一定の教育の質は保たれていると認識しておりますが、人材不足による配置的な不安や授業力についての不安があることは教育委員会としても承知しております。
今後も引き続き、その時代に即した教育課題に対する対応力を一人ひとりの教員が確実に持てるよう研修等を行ってまいります。
次に、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、給特法の問題についてです。
ご指摘のように、公立学校の教員の給与については、給特法により、時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない代わりに給料月額の4%を教職調整額として支払うものとされています。この教職調整額は、国が1966年に実施した「教員勤務状況調査」を基に決められております。当時と現在では、教員をとりまく環境が異なっていることは認識していますが、給特法に定めがある事、また、公立学校の教員は、県費負担職員であり、給与については、都道府県の条例で定めることとされているため、新宿区独自に教員の給与について定めることは困難です。
新宿区としては、教員の働き方改革を現在進めており、この取り組みを確実に推進していくことによって、教員がやりがいを持ちながら、子どもたちと向き合い、質の高い教育活動を継続する事につながると考えています。
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スケジュールに問題がないというご答弁ではありましたが、保護者のみなさまが心配されないよう説明をするということは繰り返し求めました。
また、国の責任において給特法は廃止すべきことですが、引き続き生産性の高い教育を目指してまいります。
それでは本日はこの辺で。