時代にあわないことぶき祝い金の改革を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

ことぶき祝い金について質問しました。

行政サービスの中でも福祉は重要ですが、常に納税者負担を減らしながら福祉の価値を最大限に引き出す努力は必要であり、改革を通じてより効果的で効率的な福祉サービスの実現を目指すべきだと考えています。

例えば、ことぶき祝い金の制度は見直しが必要だとこれまでも主張してきました。過去に新宿区内で電話調査を行った際にも年齢が若いほど反対する傾向にありました。
受益者の声だけではなく負担をする納税者への配慮が必要です。
私は、この事業は完全に廃止するべきだと考えていますが、財政的な負担を抑制するためにも少なくとも高齢化の状況を考慮して事業を縮小するべきです。

敬老祝金の廃止や縮小を進める自治体が増えてきました。
しかし、ある自治体では市長による提案が否決された例もあります。
この件について調べていると、新宿自治創造研究所でお世話になっている牧瀬先生がNHKでコメントされている記事を見つけました。
廃止を最優先に考える姿勢が否決の一因であるとの指摘をされています。牧瀬先生は神奈川県中井町で「敬老祝い金」の条例の見直し検討会の委員長を務められていたそうです。このような会議体を活用することも有効だと考えています。

清風園の件で賛否両論ありましたが、ことぶき祝い金の件に限ったことではなく、福祉サービスの改革は着実に進めていく必要があります。反対される受益者と同じように現役世代、また将来世代の負担についても適切に区政に反映すべきです。

伊藤 ここで、質問をさせていただきます。第一に、来年度の予算策定において福祉サービスの財政負担をどのように検討しているのか、第二に、ことぶき祝い金の財政への影響と他自治体の対応をどのように評価しているのか、お聞かせください。第三に、新宿自治創造研究所や外部の専門家と連携して福祉サービスの改革を進めることについてもご見解を伺います。

福祉部長 令和5年度の区一般会計歳出予算のうち、福祉費の当初予算は約462億円で、全体の27.3%を占めています。また、福祉費のうち、半分程度が生活保護等の扶助費となっています。
令和6年度予算については、扶助費が多いこともあり大幅な削減は難しい状況ですが、社会情勢を踏まえた事業の見直しなどを行う一方、必要な方に必要な福祉サービスが過不足なく行きわたるよう、予算編成を進めてまいります。
次に、ことぶき祝い金の財政への影響と他自治体の対応についての評価、専門家との連携についてです。
令和5年度のことぶき祝金の対象者は予算ベースで8,158人です。祝金としては8,129万5千円となっており、対象者の人数について、今後10年間は概ね横ばいで推移するものと見込んでいます。
なお、他の自治体については、対象者、金額ともに千差万別で様々な事業を実施していることから一概に評価できるものではありません。

一方で、この間一貫して平均寿命は伸びており、還暦や古希などこれまで長寿のお祝いとされてきた節目が、社会通念にそぐわなくなっているものと認識しています。
また、区では高齢者保健福祉計画に基づき、高齢者施策を推進しています。同計画を策定する際は、新宿自治創造研究所の将来人口の見直しを踏まえ、高齢者保健福祉推進協議会の専門家の意見も伺いながら、策定しています。

社会通念にそぐわなくなっているということであれば、少なくともその部分は改革が必要です。
これまで議論を続けてきたことですが、何かしら前に進めたいです。

他の敬老事業等はもちろん、年齢を問わず現役世代を対象とした類似する事業も含めて問題提起を行ってまいります。

それでは本日はこの辺で。

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伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社