こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
本日は、代表質問の出番がありました。
引き続き会派名は「スタートアップ新宿」となりました。
改選後ということで、改めてスタートアップについてご説明と質問をしました。
スタートアップとは、イノベーションによる急成長を目指す起業の形態を指します。
スモールビジネスと異なり、急成長をするためにはイノベーションが必要です。
テクノロジーや、新たな価値観との親和性が高いことも特徴の一つです。
具体的には、AI、IoT、ブロックチェーン 、3Dプリンタ、シェアリングエコノミー等の分野でイノベーションが起こっています。
新宿区にも、最先端の事業に取り組むスタートアップ企業が多く集積しています。
スタートアップに関する政策は、商店会や中小企業とは異なることを前提に考えなければなりません。
例えば、資金的な支援は先ほどご紹介させていただいた通りベンチャーキャピタルなど民間で調達が行われることが一般的です。
最も必要な政策は、規制緩和です。これまでに存在しない事業の多くは規制があるために、事業を立ち上げることが難しい状況にあります。
また、スタートアップとの実証実験は、基礎自治体との相性も良い取り組みです。
つくば市では、2018年度に経済部スタートアップ推進室が設置され、実証実験が行われています。
そして、新宿区がスタートアップの街であるブランドを確立することも必要です。例えば、2012年に福岡市では、スタートアップ都市ふくおか宣言が行われました。
スタートアップのエコシステムを新宿区に根付かせるには、専門的な知見を持った職員が不可欠だと考えています。
担当部署を設置することが有効だと考えていますが、それが難しい場合、スタートアップに関するイベントを実施している高田馬場創業支援センターを中心に取り組みを進めることが、最も効率的だと考えています。
U35新宿ビジネスプランコンテストにも多くのスタートアップに挑戦していただきました。高田馬場創業支援センターの利用権もありましたが、その後どのように連携をされているのかも気になります。
スタートアップとの連携は、産業振興課に限ったことではありません。スタートアップはテクノロジーやコミュニケーションの新たな価値を生み出すことが期待できるため、情報システム課や区政情報課との親和性は非常に高いです。
そのため、すべての部署にスタートアップが関わっていると言うこともできます。新宿区でも、スタートアップから生まれた技術やサービスを取り入れることは今後あるかと思いますが、スタートアップに関する知見があれば区政においてもイノベーションの恩恵を十分に受けることができると考えています。
以前、新宿自治創造研究所の調査で情報産業の集積についてまとめていただきました。
今後は、スタートアップの数や街における役割についても調査を行い、全庁的に共有することも有効ではないかと考えています。
以下、質問と答弁です。
伊藤 7点質問があります。
1.新宿区として、スタートアップに強みを持っていることを認識していますか。
2.国や自治体でスタートアップについてどのような取り組みが行われているか、情報収拾を行われていますか。
3.新宿区がスタートアップに強いブランドを確立することが必要だと考えていますが、いかがでしょうか。
4.産業振興課にスタートアップを担当する部署、係や職員が必要だと考えていますが、いかがでしょうか。
5.高田馬場創業支援センターと連携し、スタートアップ政策を進めていくお考えはありますか。
6.U35新宿ビジネスプランコンテストの総括を教えてください。また、前回エントリーいただいた方との連携はどのようになっていますか。総括をして高田馬場創業支援センターと新たな取り組みを進めることも必要だと考えますが、いかがでしょうか。
7.新宿自治創造研究所でスタートアップに関する調査を行うことが有効だと考えますが、いかがでしょうか。吉住区長 はじめに、区としてスタートアップに強みを持っていることへの認識についてです。
新宿区は、集客産業を中心に、成長性の高い情報通信産業や学術研究・専門技術サービスを始め、多種多様な産業が集積しています。大学や専門学校も多く、情報や資金等が集まる特性からも、スタートアップに関しても強みを持っているものと考えています。次に、国や自治体の取り組み状況とその情報収集についてです。
区では、創業の一形態であるスタートアップについての情報収集を行っています。ご指摘のとおり、福岡市は、平成24年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を行い、平成26年には国家戦略特区である「グローバル創業・雇用創出特区」の指定を受け、スタートアップへの取り組みを進めています。福岡市では、官民共同でのスタートアップ企業を対象とした各種の講座や事業計画のブラッシュアップ、支援者や資金調達のマッチング機会の提供等様々な取り組みを行い、法人市民税の軽減等も行っています。また、国家戦略特区の特例措置等を活用し雇用環境整備のための相談センターや創業企業で働きたい人材のマッチングセンターを設置しています。
国においても、官民によるスタートアップ育成支援集中プログラムを実施しており、大企業経営層とのマッチングや国内外の展示会への出展支援、税制上の優遇措置等様々な支援を行っているなどの情報を得ているところです。次に、区がスタートアップに強いブランドを確立することや担当部署の設置等の必要性、高田馬場創業支援センターと連携し、スタートアップ政策を進めていくことについてです。
区では、産業振興プランに基づき、事業核心と新たな価値創造の推進に取り組んでおり、高田馬場創業支援センターを核とした特定創業支援事業やU35新宿ビジネスプランコンテスト等を行い、スタートアップを含めた創業支援を行っています。
現在のところ、スタートアップに特化した部署の設置や施策を進めていく予定はありませんが、引き続き創業支援を着実に進めてまいります。次に、U35新宿ビジネスプランコンテストの総括等についてです。
昨年度は初回の実施でしたが、応募期間中に、区内3大学で起業セミナーを行い、計337名の方が参加しました。さらにフェイスブックやツイッター広告等も活用し、幅広く周知啓発を行った結果、想定を上回る34件のエントリーがありました。
その中から10名を選考し、起業支援の専門家による事業計画のブラッシュアップ支援を行い、最終審査では、3名の優秀プランを表彰しました。ベンチャーキャピタルの経営者等から構成される審査委員からも、事業計画のレベルが高いと評価されました。
エントリーいただいた方との連携については、表彰者3名に対して、引き続き最大2年間、起業支援の専門家によるアフターフォローを行います。また、最終審査に進出した方には、高田馬場創業支援センターの施設使用料を2年間無料としており、現在3名の方が入所し、事業を進めています。
現在のところ、高田馬場創業支援センターとの新たな取り組みについては予定していませんが、今後、表彰者を中心にその後の動向を把握しながら、事業がよりよいものとなるよう進めてまいります。次に、新宿自治創造研究所でスタートアップに関する調査を行うことについてのお尋ねです。
新宿自治創造研究所では、今年度、「公民連携」、「データでみる新宿区の姿」、「新宿ブランドの創出」をテーマに調査研究を進めているところです。
調査研究のテーマの選定については、区が直面する重要な課題の中から、区の政策立案につながるテーマを総合的に判断した上で決定しており、来年度以降のテーマについてもこうした視点から、検討してまいります。
今回は、基本的なスタートアップについて区のスタンスについて改めて確認をさせていただきました。
他の会派もEdTechやAIの質問をされていましたが、行政や議会でもスタートアップは避けて通れなくなってくるでしょう。
二期目は、「定例会ごとに毎回」質問を出し、政策実現を目指します。
議会活動のみならず、私自身もスタートアップコミュニティの中に入り込み動くことで、成果を出すまでの速度を高速化したいと考えています。
実績を積み重ねることで、新宿区が日本一スタートアップに強みを持つ自治体として定着します。
そして、日本で一番イノベーションの恩恵が受けられる街にします。
それでは本日はこの辺で。