3Dプリンタが廃れたという誤解。2015年以降は3D技術の実用化が加速する

「3Dプリンタ」がメディアに注目され、テレビや新聞などでよく見かけたことは記憶に新しいと思います。

しかし、今年に入ってからメディアでの登場頻度が低下していたり、主要メーカーでのレイオフや赤字に関するニュースが発表されました。

「結局3Dプリンタは何もできず、ブームが去った。」
とお考えの方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。

まず、こちらの記事のように、出荷台数に関しては2019年までは増加傾向が続く見通しです。

2016年世界市場における3Dプリンタ出荷台数は、2015年の倍以上の50万台弱に——米Gartner調べ

そして、安価で小型のパーソナル3Dプリンタや、CMなどでお馴染みの3Dプリントサービスは、単なるブームではなく既に様々なシーンで実用化されています

3Dプリンタを利用する際には、3Dプリンタ本体や材料を所有している必要はありません。
先ほどご紹介した3Dプリントサービスを利用するという方法もあります。

例えば、3D出力業者で金属のものを作る場合、研磨やコーティングなどの仕上げを行うサービスまで提供されているサービスもあり、ジュエリーなどの分野では試作品製作だけでなく完成品製作の実用化まで可能と言えるでしょう。

造形のスピードや費用対効果など、3Dプリンタ導入の障壁になる要素も、時間の問題で解消していきます。

そして、3Dプリンタだけでなく、3Dデータ周りでも注目のニュースがありました。
Autodesk社のFusion360という、月額4,000円〜(個人、学生、非営利、スタートアップ等では無償!)で利用できる高機能三次元CADツールの、日本語版が登場しました。

3D CAD/CAM Software for Product Design | Fusion 360

これからは、三次元CADを扱うハードルが下がることでクリエイターが増加し、「3Dデータ」にも重点が置かれることになります。

「3Dプリンタ」という単語自体が流行していた時代は確かに終わりましたが、今後、3D技術を用いた製品が社会に増えていく流れは変わりません。
最近話題のVRやARの分野もそうですね。

3D技術と言われても、消費者にとってはその技術が身のまわりでどう使われるのか、把握しづらい部分もあるでしょう。
しかし、これまでの産業構造自体が変化する、新たな産業革命が既に始まっていることを認識しておく必要があります。

新しい産業の流れの中で、これからどんなサービスが登場するのか楽しみですね。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社