「移管」じゃないの?特別区(23区)児童相談所「設置」は現状困難

本日は文教子ども家庭委員会の視察で、東京都児童相談センターへ。

新宿区内にありますが、東京都内にある11か所の児童相談所の中でも中央児童相談所として位置付けられています。

東京都児童相談センターは、たまたま新宿区内に施設がありますが、児童相談所は東京都の管轄で、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区、練馬区、島しょ部などを担当しています。

児童相談所と聞くと虐待のイメージが強いですが、養育相談、育成相談、知的・身体障がい相談、非行相談、また子ども@ホームの取り組みとしてご紹介させていただいた社会的養護など相談内容は多岐にわたります。

こども@ホーム推進委員会ホームページ

相談の受付時間は9時〜17時までですが、虐待などを想定し年中無休で緊急連絡に対応しています。

今回視察を行った背景は、今年児童福祉法が改正したことで特別区でも児童相談所を設置することが可能になったことです。
すでに設置を宣言する区もあらわれています。

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住民と距離の近い区へ虐待の情報が届くこともありますが、都の児童相談所に情報を伝達したところ連携不足が一つの原因となり子どもが亡くなってしまった事件もありました。

そもそも1,300万人もの人口がいて、児童相談所はたったの11しかない、一時保護所の定員は100%を超える明らかなキャパオーバーです。
そこで、身近な基礎自治体へ権限や財源を移管し、きめ細やかな対応が必要だという議論が行われ、その結果として特別区でも児童相談所を設置できるよう法改正へとつながりました。

しかし、実態としてはそれほど簡単に設置できるわけではありません。
児童相談所には子どもや保護者の置かれた状況を把握することができる専門的なスキルを持った職員が不可欠で、一時保護所でも子どもたちが生活をおくっていけるように設備を整えなければなりません。

しかし、先ほどから申し上げておりますが、権限や財源等が「移管」されるわけではなく、あくまで区で「設置」ができるようになったというだけの話です。
もちろん、都の児童相談所が廃止されるわけでもありませんし、都の職員が区へやってくるわけでもありません。

既存の児童相談所は据え置きで、区は自前で児童相談所の準備を行わなければいけませんが、
「できるなら、勝手にやってね。」
くらいの厳しい条件を突きつけられているため、設置までのハードルは極めて高いものです。
こうした東京都の内情を理解している区であれば、設置に反対することも当然ありえます。

東京都と特別区の双方が意欲のある区から児童相談所を移管していくという認識で議論を進めていかなければ法律改正を行った意味がありません。
子どもたちの環境を改善するためにも、引き続き区の立場からも取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社