分身ロボットで「その場にいる」学びの機会を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

分身ロボットについて質問しました。

外出が困難な方が自宅などから遠隔操作し、その場に存在することを可能にする革新的な技術です。開発者は、元不登校の経験から孤独の解消を理念にこのロボットを開発しました。

現在、ビデオ会議システムやメタバースといった手段も活用される中で、分身ロボットが選ばれる理由は明確です。ロボットという形で物理的にその場に存在することで、操作者自身が実際に空間に参加しているという感覚を得られ、周囲の人々も自然にコミュニケーションを図ることができます。開発者自身も、これは存在感の質が異なるものだと述べており、自己肯定感や社会的つながりの醸成に寄与する点が高く評価されています。

実際に、分身ロボットを活用したカフェに行ってきましたが、障がいのある方が自宅からロボットを操作し、食事を運び接客業務を担っています。また、行政機関の窓口業務においても、在宅でロボットを通じた業務参加の事例が生まれています。これにより、外出が難しい方でも就労機会を得ることが可能となっています。

教育の分野でも注目されています。分身ロボットを活用することで、入院や療養中など登校が困難な児童生徒が、授業はもちろん、修学旅行などの学校行事にもロボットを通じて参加することができたという事例があります。単に学習の機会を確保するだけでなく、仲間とつながる体験を通じて子どもたちの成長を支えることができる点も重要です。

以下、質問です。

伊藤 分身ロボットを活用し、区職員の新たな働き方の仕組みを検討することも有効だと考えていますが、お考えをお聞かせください。また、教育現場において、事情があり登校が難しい児童生徒が、授業や修学旅行などの学校行事に遠隔で参加できる環境を整備することは、子どもたちの学びの継続や社会的なつながりを支えるうえで極めて重要です。分身ロボットの導入についてどのようにお考えでしょうか。

総務課長 分身ロボットを活用した、区職員の新たな働き方の仕組みを検討することについてのお尋ねです
現在、分身ロボットの活用が、様々な分野で始まっていることについては承知しているところですが、行政における活用事例としては、働く意欲のある障害者等に就労機会を提供するため、案内業務に参加してもらうことが主なものと認識しており、現時点で区職員への活用を検討する段階にはないと考えています。
区職員の働き方改革については、引き続きデジタルトランスフォーメーションの活用や業務改善に取り組むことで、働きやすい職場づくりを推進していきます。

教育委員会事務局次長 入院や療養中など登校が困難な児童・生徒にとって、同年代の児童・生徒とつながる体験を通して、学校生活への関心や学習に向かう意欲を高めることは重要であると考えています。
教育委員会では、現在、一人1台のタブレット端末を活用し、遠隔で、授業や学校行事などに参加できる環境を整備しています。
新宿養談学校では、入院や療養中の児童・生徒が、入学式や卒業式、校内音楽会や学習発表会などの行事に、タブレット端末を活用してオンラインで参加しています。また、余丁町小学校に設置されている院内学級では、通常の学級の社会科校外学習へオンラインで参加したり、音読発表会で感想を伝え合ったりするなどの交流活動を実施しています。

分身ロボットについては、特別支援学校等で活用が行われている事例については承知しているところです。
引き続き、他の自治体等における分身ロボット導人の成果と課題を注視するとともに、様々な情報通信技術を適切に活用することによって、入院や療養中であっても学びを継続し、社会的なつながりを確保できるよう努めてまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社