五輪に向け23区で意外に深刻なゴミのポイ捨て問題

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

2020年に東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたり、基礎自治体としても対応が必要な課題があります。

その一つが、ごみのポイ捨て問題です。
国内外からの観光客、そして建設予定の新国立競技場周辺の問題なども踏まえ、2月の代表質問を予定しているため、改めてご説明させていただきます。

これまで、グリーンバードを中心に各種ボランティア活動を通じて、新宿区内全域に足を運び、ごみが散乱している様子を実際に目にして来ました。

住宅街の場合は、各自が目の前の道路を掃除するなど徹底されている場合もあり、拾うゴミがほとんどなかったという事例もありますが、主に繁華街では、国内外から観光客が集まるという特性もあり、大量のゴミが散乱しているため、対策が必要だと感じています。

しかし、ごみ箱をたくさん設置すれば解決しそうですが、事業ごみが大量に捨てられてしまうそうで、問題は深刻です。

新宿区では、ポイ捨てや路上喫煙を防止するために、条例が制定されています。

新宿区空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例

効率的に問題を解決するためにも、まずは実態把握を行う必要があると思います。
ポイ捨てが多いエリアとそうでないエリアははっきりとしているため、重点的に環境整備を行う必要があるからです。
また、効果的にボランティアを行うためにも、どこを掃除すれば良いか明らかになっていることは大切です。

路上喫煙に関しては、議会でも議論が行われていますが、定点観測により、数値化されています。

路上喫煙率調査:新宿区

限界はありますが、パトロールなどにより、一定の成果は出ているものと理解しています。

一方で、ポイ捨てに関しては平成17年とはるか昔に人力で散乱状況調査が行われてから、10年以上も調査を行なっていませんでした。

ゴミの数では、たばこのポイ捨てが最も多いですが、缶、びん、ペットボトルなどの容器は、体積としてはたばこ以上に捨てられているものです。

以前、人工知能による画像認識技術を活用することで、ゴミの量を数値化できる研究をされてきるピリカさんをご紹介させていただきました。

過去のブログはこちら↓
ゴミ箱設置場所でポイ捨ては増える、減る?ゴミの量を数値化し正しいアクションへ

「こっちはゴミが少ない、あっちはゴミが多い。」
と定性的に判断するのではなく、あくまで数値を過去の状況を比較することで、効率的にポイ捨ての問題を改善することができます。

新宿区の担当課に確認したところ、人力で調査するにも手がまわっていないというお話でした。
ピリカさんに限らず、新たなテクノロジーを活用することで、人力以上に質が高く、安価に調査を行うこともできます。
スタートアップ新宿として、ベンチャー企業のテクノロジーを行政と結びつけることに力を入れていきたいと思います。

先日の千代田区長選挙でも、石川まさみ区政の政策として、きれいなまちづくりが行われていることが話題となりました。
国や都で決められたこと以外でも、基礎自治体は先行して改革取り組めるという利点があります。

各自治体の特色を出せるというメリットもありますが、注意しなければならない点もあります、
例えば、新国立競技場は住所では新宿区になっていても、港区や渋谷区と接しています。
そして新国立競技場とも比較的距離が近い四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋など主要な駅は、線路をまたぐと千代田区です。
各区でルールが異なりますし、千代田区では路上喫煙は2000円過料が発生することになりますが、観光客にとってはどこからお金が発生するかなどわからないでしょう。

特定のエリアでうまくいった事例を参考に、東京都や近隣区との調整をしていくことが必要です。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、各自治体と連携をはかることが、都政と区政に求められています。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社