EdTechでオンライン授業や個別最適化された学習へ

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤洋平です。

ICT教育について質問したので、ご報告させていただきます。

GIGAスクール構想に向けて、新宿区でもタブレット端末やインターネット回線の整備がはじまりました。
ある先進自治体の学校を視察した際、英語のアプリケーションEnglishCentralを使用する機会がありました。
「英語の発音は教員よりも良いのでコンピュータを積極的に活用したい」と先生がお話されていることが印象的でした。この学校の視察で教えていただいたのが「ブレンディッドラーニング」という考え方です。人間である教員とコンピュータの教材の両方を活用し、教育の質を高めることが狙いです。

ブレンディッドラーニングは新宿区でもすでに一部で導入されています。AIの教材を採用している小学校では、10ポイントほど成績が向上したクラスもあると伺いました。教育の根本的な考え方を見直し、「教員だけが教えることが正しいわけではない。」という前提で教育に取り組まれ、テクノロジーを活用されています。
基本的な学習を効率化することができれば、時間の使い方を変えることもできます。
その小学校では、民間と連携したプログラミング教育や、遠足の費用を稼ぐためにクラウドファンディングを実施するなど、生きるための学びの時間を捻出していました。

EdTechを取り入れることは、教員の採点業務が効率化されるなど、働き方改革を進めるためにも必要です。
国内の事例や区内の事例を分析し、子どもたち一人ひとりに合った学びへとアクセスできるよう取り組みを進めることが大切です。

以下、質問と答弁です。

伊藤 コロナ禍で授業が行えなかった影響をどのように評価されていますか。学力の低下等はありませんでしたか。
コロナ禍でオンライン授業などが注目されましたが、教員への研修やアプリケーションの整備などは行われましたか。
コンピュータを活用した英語教育は先進事例もあります。参考にしながら取り組んでいく必要があると思っていますが、EnglishCentralの活用も含め、何か対応はされていますか。
ブレンディッドラーニングを推進していくお考えはありますか。また区内先進事例の研究等は行われましたか。EdTechの情報収集や民間企業との連携を今後どのように行なっていきますか。

教育長 GIGAスクール構想の実現にむけたアプリケーションの整備については、Web会議システムの機能がある「Microsoft Teams(チームズ)」や、アンケート・小テストを作成できる「Microsoft Forms(マイクロソフトフォームズ)」などの整備を行っているところです。
オンライン授業に特化した教員研修は行っておりませんが、学校ホームページから動画を配信するための手順書を作成し、各学校へ周知してきました。
さらに、操作方法や活用事例に関する動画を公開し、タブレット端末の配備が完了した学校から校内研修を開始するところです。

ICTを活用した英語教育については、第一次実行計画に位置付け、先進的な取組を行っている自治体への視察や外国語教育推進委員会による検討教育課題研究校による研究を踏まえ、デジタル教材の選定・活用を行ってきたところです。
令和2年度からは、小学校中学年の外国語活動と低学年の英語活動を中心に、英語デジタル教材「SWITCH ON!(スイッチオン)」を導入しています。
この教材には、正しい発音ルールを学ぶことのできるコンテンツや、簡単な英語の物語をアニメーション付きで学ぶことのできるコンテンツが収録されており、授業の導入やまとめで活用しています。
教員からは、「SWITCH ON!(スイッチオン)」を活用することで、子どもたちの発音が良くなったという感想が挙がっています。また、1分間程度の短時間で視聴することができる英語の歌を授業の導入時に流すことで、子どもたちの学習意欲を高めることができるようになったという感想も挙げられています。
当面は、導入した英語デジタル教材やデジタルドリルを1人1台タブレット端末で活用し、英語教育を推進していきます。ご指摘の、新宿区で導入したデジタル教材のプラットフォームから利用できるアプリケーションである「English Central(イングリッシュ セントラル)」については、現時点での導入の予定はありませんが、デジタル教材の見直しの際には、外国語教育推進委員会で幅広く検討し、よりよい教材の導入に向けての研究を行ってまいります。

オンラインによるeラーニングと教室での協働学習を効果的に組み合わせていくブレンディッドラーニングの考え方については、新宿区版GIGAスクール構想を推進していく上でも、重要であると考えています。
すでに、令和2年度に指定した教育課題研究校である西戸山小学校においては、複数の民間企業の協力のもと、区内の先端事例として、1人1台のタブレット端末とeラーニングを活用し、デジタルドリルによる個別学習や協働学習支援ツールを活用した教室での学びを関連させて研究を進めてきました。
その結果、「学習内容がよくわかるようになった」、「学習に取り組もうとする気持ちがもてた」という児童の割合は、それぞれ9割に達しました。
今後は、これまでの研究期間で実施した教科等に限らず、区立学校における様々な学習活動の中でデジタルドリルや協働学習支援ツールを充分に活用することに加え、自宅でのオンライン学習による予習を行ってから、教室での学習を進める「反転学習」などの多様な学びの在り方についても検討が必要であると考えています。教育課題研究校のみならず区立学校全体の実践の共有化を図り、子どもたちが効果的な学習が行えるよう、取組を推進してまいります。

教育委員会ではこれまでも、教育領域にイノベーションを起こすビジネス、サービス、スタートアップ企業などを示す、EdTech(エドテック)について、新宿区版GIGAスクール香草の実現に向けた検討の中で、継続した情報収集を行ってきました。
今後は、導入するeラーニングの活用促進を優先していきますが、次期更新に向け、EdTech(エドテック)についても、先行で推進している自治体の視察などを通して情報収集してまいります。
また、民間企業との連携については、企業から連携の提案を受けた際に、児童・生徒の教育環境や学習効果の向上に資する内容であるかを見極め、検討してまいります。

大変丁寧なご答弁をいただくことができました。

昨年は万全な教育環境ではなかったかもしれませんが、改善をしていることは事実です。
費用対効果にこだわり、EdTechの推進をします。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社