「高齢者」ではなく、「生活困窮者」のために。高齢者福祉に関する予算は「縮小」を望んでいます。

議員になり私のところにも区民の方をはじめ、
たくさんの方からご要望をいただいています。

ご要望の内容は、「年金の金額を増額すべきだ!」など
「高齢者福祉の予算を上げてほしい」というものが大半です。

本日改めてご説明をさせていただきますが、
高齢者福祉に関する予算は「縮小」あるいは「廃止」を訴えることが、基本的な政治スタンスです。
私がすべきこと、つまり「子供」「若者」「生活困窮者」に関する政策に集中をするため、
このようなスタンスをとらせていただいています。

もちろん、シニア世代に関してまったく触れ無いというわけでもありませんし、
例えば医療・介護の現場を見ても充実をすべきケースもあることは十分認識しています。

シニア政策に取り組む場合は予算を増やすことではなく、
テクノロジーの導入による医療・介護の充実、
シルバーベンチャーを推進するなどシニア世代が生涯現役になること、
地域活性化の観点から子どもや若者との交流を促進するなど、
子ども、若者目線でメリットに感じるケースに限定されます。

社会保障費は毎年兆単位で増加し、
将来世代には約1,000兆円もの借金、
1億円もの世代間格差があると言われていますが、
一体誰がそのお金の責任を持つことになるのでしょうか。

もちろん、将来世代が負担をすることになりますが、
それは増税が実行され、経済的自由を奪われる未来を意味します。
若い世代に対して問題を先送りしないことこそが、
20代当選議員の使命であり、「高齢者福祉」に注力することは、
必ずしも将来世代にとってプラスにならない可能性もあると考えています。

このような話をすると、
「シニア世代殺しだ!」
などの批判をいただくこともありますが、
一方で、現状の世代間格差を前に
「若者殺しだ!」
という議論はほとんど聞いたことがありません。

「高齢者にもっと支援をしたい!」
「若者にももっと支援をしたい!」
「将来世代に借金は残したくない!」
誰もが様々な政治的な理想を持っています。

しかし、誰が高齢者福祉のお金を負担するのか、議論が済んでいない状態で、
見切り発車の高齢者福祉を実行している状況を若者は見逃しません。

私は、本当に困っている人のために政治は存在していると考えています。
本当に困っている人に対する議論かそうでないかを分けることが大切です。

例えば、年金の増額に関するご要望などがありますが、
その対象として、増額の必要がない生活が豊かなシニア世代が多く含まれています。
これは、若い世代が対象になる子育て支援にも同様のことが言えます。
高齢者福祉の議論をするのではなく、
困っている方に対して「生活困窮者」として就労支援を中心に、
さらに手厚い支援をしていくべきだと思います。

シニア世代と若者の世代間闘争みたいな話に聞こえるかもしれませんが、
若者・シニア双方に悪意があるわけではありませんし、
政治体制に問題があったことだけが問題だと思っています。

実生活で、直接自分の孫名義で借金をして生活するということは考えにくいものです。
しかし、政府というフィルターを挟むことが子供へのツケを残す結果を生み出してしまったのではないでしょうか。

八方美人であることが選挙を戦う上でも鉄則です。
「若者のために!」
と誰もが言うことはできますが、
本当に若者のためになるような行動をしている政治家がどのくらい存在するのでしょうか。

また、声を発することができない「将来世代」の声を誰が担保するのか難しい問題もあります。
数十年先まで未来への責任がある若い世代の議員として誰よりも取り組まなければならないと思っています。

高齢者福祉のお話をいただいた場合、もちろん拒むことまではしません。
心の底から将来世代や生活に困っている人に寄り添えるように、
私の中で選択と集中をした上で行動に反映させていただければと思います。

シニア世代の中からも、
「若い人のためには私たちも意識を変えなければ」
と言ってくださる方もいらっしゃり勇気をいただけることもあります。

しかし、今回みたいな話をはっきり言い過ぎると、
またどこかで怒られるんだろうなあ。。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社