※追記有:区民の安全を守れない制度の闇。過剰診断、投薬など係争中の陳情・請願は審査未了へ。

※追記
新宿区の場合は、板橋区よりも寛容で、委員会にて議論自体は行われています。
実際に区の対応に関しての質疑も行われていたようですが、
ある議員から、「係争中」だという議論をされたことにより「審査未了」となったとのことです。
誤解を与える表現をしていたことをお詫びを申し上げます。

陳情・請願は誰でも提出することができるとされていますが、
残念なことに、「審査未了」ということで審査さえもされない場合があることがわかりました。

本定定例会で、「新宿区内のある医療機関にて診断・投薬に明らかな問題があり新宿区による立ち入り調査を求める」
という陳情を出された方がいらっしゃいましたが、
「裁判で係争中のため審査未了。」との結末になりました。

つまり、裁判中の案件を議会が審査することは不適切だということです。

新宿区では、委員会に付託され審議をしているということですが、
議論さえ行われない板橋区のホームページから引用します。
(陳情を提出する前に区役所へ陳情内容に関する確認をしていますが、新宿区でそのような判断基準があるとの説明はありませんでした。)

請願と陳情の提出方法

審査の除外基準は、次の5項目です。
・係争中のものまたは調停中のもの
現に係争中、または調停中の事件に関して議会が態度表明することはなじまないため。
・郵便等で送付されたもののうち、住所、連絡先等が不明確で連絡がとれないもの
住所や連絡先等が不明確な場合、提出者が実在するか確認することができないため。また、本人の意思によって提出されたものであるか確認することができないため。その他、内容の不備や不明確な表現に関する確認もできず審議に支障をきたすため。
・特定個人や団体等を誹謗・中傷し、その名誉を毀損したり信用を失墜させる恐れがあると思われるもの
公序良俗に反する内容に議会が態度表明することはなじまないため。
・請願・陳情による要望等がすでに達成されているもの
すでに事業計画が決定したり、予算措置がされているものについて改めて審議することはなじまないため。
・その他議会の審査になじまないと議長が判断するもの

今回の案件は、新宿区へ数年前から被害者による問題の指摘があり、
民事訴訟では「故意的詐欺」と判決が下り、
経済被害、健康被害に関連する複数の被害者が出ていることが客観的にも確認できます。

しかし、同じような診断や投薬を続け問題が繰り返し起これば当然裁判は長引き、
その間、被害が起きても議会は関与ができないということになります。

行政や議会が形式的に対応する限り、
客観的もに問題があると確認できる医療機関であっても、行政は介入しません。
行政「可能な限りルールに基づき対応しております。」
議員「係争中なら審査をすることは適切ではない。」
と区民のためになっているのかわからない、形式的な返事ばかりが飛び交う闇の深い問題です。

少子高齢化社会に突入し、
医療業界は市場としても非常に注目をされています。

しかし、この業界の特色として、
市場原理が働かないことから、診断や投薬の判断は医療機関に委ねられ、
それによって売上が変動するという性質を持っていることは注意をしなければなりません。

以前、新宿セントラルクリニックの問題をご紹介させていただきました。

立ち入り検査拒否で健康被害・経済被害!?新宿セントラルクリニックの事例より

JRからは新宿セントラルクリニックの看板は撤去されたようですが、
未だに都営地下鉄新宿三丁目駅に新宿セントラルクリニックの看板がある状況をみると、
東京都の対応についても疑問が残ります。

実は今月に入ってから別の精神科医療機関でも、
過剰診断、投薬による被害が出ているとのお手紙もいただいております。

このような問題もニュースとして取り上げられています。

特別寄稿 『ブラック精神科医に気をつけろ!』
第1回「うつの痛みと過剰投薬の実態」

一般の患者に診断や投薬に関する知識が無いことから、
「医療機関が言ってることだから正しい。」
と思ってしまうこともあるでしょう。

繰り返しになりますが、
こうした専門機関への盲目的な信頼をきっかけに、
健康被害、そして経済被害が発生するリスクは高いことから、
安全を担う行政の役割は大きなものです。

新宿区議会の中には、私以上に薬物問題に関心を持たれていた先輩議員もいらっしゃることがわかりました。
その議員がお持ちの薬物に関するDVDをお借りして、私も勉強させていただいたこともあります。

DVDは依存症当事者のメッセージが中心になって構成されており、
「最初は医者から処方されている薬だから安全だと思っていたが、ドラッグと同じように、人生を台無しにするという危険性がある。」
ということも改めて学びました。
しかし、一般的にはまだ問題の深刻さは浸透していないのが現実です。

引き続き、診断・投薬が大きな社会問題に発展しないためにも、
新宿区に対して「積極的な立ち入り検査・及び処分の検討」を訴え、
皆様にも情報発信をさせていただければと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社