聴覚障がい児専門の施設・金町学園は平成30年3月に閉園予定です

本日は、こども@ホームのメンバーで視察葛飾区水元にある、金町学園へお伺いさせていただきました。

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金町学園は、主として聴覚障害児を対象とした『福祉型障害児入所施設』です。ろう学校から大学進学を目ざす児童、ろう学校で調理師や様々な資格を取得して社会自立を目ざす児童を支援します。
また、本人や家庭の事情による課題を抱えた児童が、その解決を図れるよう支援します。
家庭に代わり、安心して生活できる学園です。

引用元の金町学園ホームページはこちら

金町学園は、公教育の学校ではなく、集団生活を通じて子どもたちの支援をしている施設です。

東京圏でも唯一の聴覚障がい児専門の施設で、全国から聴覚障がい児を受け入れてきました。

3歳〜20歳まで入園することが可能で、現在は30名弱の方々が集団生活をおくています。

乳児院からこの施設で育った子、家庭の事情により施設にきた子、大学進学のため東京で情報を得たいという思いで上京してくる意欲の高い子まで、様々なバックグラウンドを持った子どもたちがいました。

聴覚障がいの場合は、手話や読唇術など目でコミュニケーションをとることになります。
そのため、一般的な会話のように目だけでなく耳と口でやり取りをすることは別物だと認識することが必要とのことです。
インクルーシブなコミュニケーションも大切ではありますが、言葉を使えば使うほどコミュニケーションの力が発達するため、目のコミュニケーションを取る人たちが集まることが大切だとおっしゃっていました。

聴覚障がい児への支援に関する勉強が必要とされますが、金町学園の特徴的として、児童指導員10名のうち、6名が聴覚に障がいをお持ちの当事者ということです。

そんな金町学園ですが、なんと2018年3月に廃園予定となってしまいました。。
聴覚障害児の入所施設「金町学園」をなくさないで!

今在籍している子どもたちは、時期がやってくると施設を出なければなりません。

非常に難しい問題ですが、もちろん事業者が施設の運営を継続ができなくなってしまえば、行政がそれを止めることは難しいです。

この施設自体を存続させる方法や、引き継ぎができる業者も今の所ありませんし、都有地や補助金を投入して新たな施設を設立することも、今のところは難しい状況です。

東京都から近隣の千葉県や埼玉県への移転、PPPによる再生を検討するなど、本気でこのような施設の必要性を考えるなら、あらゆる手を検討しなければなりません。

施設の運営者の事情や、政治的な動きの中で補助金が減額されたり打ち切られたり、子ども自体には支払い能力がないことから親の貧困や、親がいない場合には市場での解決が難しかったり、様々な事情によって事業の継続が難しくなっています。
このような状況が子どもたちに影響を与えたり、新たな課題が出てくることも予想されます。
こども@ホームとして、そして政治家として、これまでになかった手法を用いた解決策を考えていかなければなりません。

最後に。
こども@ホームでは、児童養護施設や里親の元から自立した後の自立支援をテーマに、アフターケア事業「ゆずりは」代表の高橋亜美さんを講師に迎え、社会的養護後の適切なサポートについて考える勉強会を開催します。

どなたでもご参加いただけますので、お気軽にご応募ください!

日時:
2月29日(月)18:30~(開場18:15)

場所:
北とぴあ 803会議室

アクセス


(JR京浜東北線王子駅徒歩3分、東京メトロ南北線王子駅直結)

会費:
500円(資料代として)

定員:
20名(先着順)

イベントのお申し込みはこちらから↓
【定員20名】2月29日(月)18時半~「社会的養護後の自立支援を考える」勉強会を開催します

「ゆずり」に関してはこちら↓
あすなろとゆずりは – 自立援助ホーム あすなろ荘

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社