学校給食予算約10億1食800円以上。大人なら和食と牛乳を一緒にしない

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

先日の予算特別委員会で、学校給食についての議論をさせていただきました。
私は文教子ども家庭委員会へ所属しているため、委員会として区立の小中学校へ訪問させていただき、給食を試食させていただく機会もあります。
新宿区の給食は栄養もあってとても美味しいと思っています。

しかし、昔から変わらず続いている伝統でも、時には変えなければならないこともあります。

例えば、どんな献立でもほとんど毎日、飲み物は牛乳。
和食であろうと中華であろうと牛乳と食べる、というこの組み合わせはいかがなものでしょうか。
私が食事に行くお店で和食や中華を食べるとき、牛乳が出てきたことはありませんし、それは学校で働く大人の方々もよくわかってることだと思います。

私が子どもの頃には、根性論で給食を完食させられるようなこともなかったので、牛乳を飲まない子も本当にたくさんいました。
人によってはアレルギーの問題もありましたし、診断書はなくても、牛乳を飲むとお腹が痛くなったり気持ち悪くなるので飲まないという子もいました。
大学生になってから、ある講義で牛乳についての話題となり知ったのですが、多くの日本人の体質に牛乳は合わないそうです。

文教子ども家庭委員会で給食をいただく際も、多くの委員が牛乳を残していました。

最初から残すことを見越していたのか、オプションでお茶も用意されていて、幸い快適に食事ができました。
牛乳を残す子どもの割合までは質疑を行っても確認できませんでしたが、私の質疑に関連した内容で、別の委員が話をされていましたが、現在も半分近くの子どもが牛乳を残す場合があるそうです。

区議会議員など大人にも認めているように、子どもたちに対しても、水やお茶などのオプションを推奨することや、そもそも牛乳に関しては見直しが必要です。
食品ロスの観点からも、牛乳を飲まない子供達へについてお話されていました。

カルシウムを摂るためにも牛乳が不可欠だという主張は、多くの子どもが牛乳を飲まない現状を考慮すれば、意味がない議論だと言えます。
例えば、サプリで栄養を補っている方も多くいらっしゃいますが、必ずしも牛乳とせず、融通がきいても良いのになと思います。

これまでも、新宿区が1本50円の牛乳を現物支給し、実質上の給食費の補助が行われてきました。
なぜ牛乳なのか、子どもたちのためにも果たして妥当な投資なのか、見直しが必要です。

新宿区では、小中学校の給食費として約10億円の予算が計上されていました。
給食1食あたり800〜900円程度のコストが発生しています。
現在は食材費のみを負担することになっているので給食が安いように感じますが、もしかしたら大人の昼食費よりも高額(?)と思えるような金額でした。
民間企業では、野菜たっぷりの栄養満点のヘルシーランチが、もっと安い価格で提供されることもあります。
給食をさらに充実させたいところではありますが、思っているよりも安くないのだなと感じました。

議会で給食無償化についての提言を耳にすることもあります。
給食は、共働き世帯の増加や貧困問題を考える上で、栄養ある食事をとる機会あるいはセーフティネットとしても有効なものだと理解しています。
しかし、給食費の支払いが難しい家庭には、すでに新宿区でも就学援助により支援を行なわれています。
給食無償化は、簡単に実現できるかのように語られることもありますが、家庭の経済状況に関係なく子どもたち全員の無償化をすることで、現役世代にも過度な負担を強いることにもなるため、財源の問題が解決できなければ政策としては難しいと考えています。

学校給食を改善し、子どもたちへの予算がより充実するよう議会活動に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社