こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
先日の地域IoTフォーラムでご一緒させていただいた毛塚つくば副市長に機会をいただき、つくば市を視察させていただきました。
ICT・先端技術の街ランキングで全国第1位の、今最も注目すべき自治体の一つです。(新宿区は5位)
街の中にはこのような表示が。
そして、庁舎に入るとセグウェイやロボットスーツ!
市民の方々がテクノロジーに触れる機会にもなり、ブランドイメージを確立するためにも有効です。
さて、視察のテーマはRPAと非識別加工情報でした。
今回はRPAについてご紹介させていただきます。
RPAとはRobotic Process Automationの略で、ロボットによる業務自動化のことです。
行政でRPAを導入するということは、要するに、職員が手作業で行なっていた仕事をコンピュータで代替する取り組みとなります。
議員の仕事がコンピュータで代替されるという記事を書いたこともありますが、公務員の仕事はすでに代替がはじまっています。
視察では、WinActorを用いてシナリオを作る過程や実行画面など、一連の操作を見せていただきました。
WinActor – ウィンアクター 働き方改革を支援するRPA
Youtubeにデモ動画がアップされているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
WinActorとは、Windows端末からのアプリケーション操作を自動化するシステムです。
既存のシステムを改修ことなく、すぐに自動化ができるという点が優れています。
しかし、誤解しないでいただきたいのは、自治体職員の仕事が無くなるわけではないということです。
つくば市でRPAを導入した目的は、業務を効率化することによる自治体職員のワークライフバランス向上です。
現場では、税などの分野で特定の時期に業務が集中し、膨大な残業をせざるを得ない状況になります。
しかし、RPAを導入することで残業を減らすことが可能となれば、職員の負担も減らすことができます。
(もちろん、残業代の削減は財政的にも望ましいです。)
そして、RPAを導入する鍵は、自治体職員の専門性です。
RPAで職員の仕事を代替するためには、コンピュータ上でシナリオを構築しなければなりません。
つくば市がスムーズに導入できたのは、実務を熟知し、さらにRPAにも対応できるスキルをお持ちの職員がいらっしゃったからです。
現在ある公務員の仕事は、徐々にテクノロジーに代替されていくことは確実です。
しかし今後は、単純作業が代替される一方で、ICTなどのスキルを活用し、より付加価値の高い新たな仕事が新たに生まれることになるでしょう。
コンピュータとの共存が、自治体経営の鍵になりそうです。
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RPAをはじめ、つくば市では公民連携によって公費を投じることなく実証実験を行なっています。
研究機関や企業が行政と連携できる背景として、つくば市が振り切ったブランドイメージを確立していることも挙げられます。
少し視察しただけですが、つくば市で起業するメリットも大きく、市役所にも街にも勢いがある様子が伝わってきました。
同じく研究機関や企業が密集する新宿区の特性を活かすことで、新たな課題解決のチャンスが創出できると確信しています。
特に、新宿区が得意とする公民連携をテクノロジーの分野でさらに広げることが必要で、そのためには行政や議会の目利きも不可欠です。
第1回定例会では、つくば市の視察を活かしながら議論をさせていただきます。
それでは本日はこの辺で。