つくば市の非識別加工情報への取り組み。自治体と民間で協力しなければ、わからないまま。

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

先日つくば市を視察のブログでは、RPAについてご報告させていただきました。

公務員の仕事もコンピュータが代替!つくば市がRPA(ロボットによる業務自動化)導入!

自治体の仕事とは特に相性が良く、多くの事務の自動化が進められると確信しています。
ワークライフバランスにも直結するため、第一回定例会でも具体的な提言をさせていただく予定です。

実はつくば市には重要なテーマがあります。
それは、非識別加工情報です。

行政は膨大なデータを保有しています。
現在は学術研究のみでは認められているというの状況ですが、個人情報保護法に匿名加工情報の仕組みが導入されました。
特に、医療や介護の問題を解決するためには、行政が保有しているデータを民間で活用することが期待されています。
しかし、そのまま個人情報を出してしまうと個人が特定されてしまいます。
そこで、非識別加工情報という、特定の個人を識別することができない状態にデータ処理することが求められます。
名前や個人番号などを削除することは当然ですが、他にも準識別子という年齢や国籍など、別の情報と組み合わせることで特定できてしまう情報があります。
これらに対して、データ加工を行う必要があります。
つくば市では民間と連携して、匿名化技術などの手法が検証されています。

k-匿名化とは: NEC データ匿名化ソリューション | NECソリューションイノベータ

(NECのホームページより)

一方で、個人情報の数が少なくなるにつれて、個人が特定できてしまう可能性が高まります。
その場合、市区町村よりも都道府県などより広域な単位で対応した方が望ましいと考えられます。
また、罰則規定があるとしても非識別加工情報を複数入手して突合されてしまい、個人が特定されやすくなるリスクはあります。
このように、どの程度の粒度であれば良いのかという点も検討が必要です。
他にも、非識別加工情報を準備するために自治体で過剰なリソースが割かれることになることは望ましくありません。
この点も効率の良い処理方法を検討しなければなりません。

非識別加工情報については、自治体と民間が協力し、現場の目線で実験を行わなければ永遠に結論が出ない話です。
つくば市の実験の結果を注視しながら、新宿区での取り組みにも活かします。
ICT化の時代になると、新たな課題が出てくるものです。
新宿区議会から、最先端の取り組みについても議論を重ねてまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社