昭和の様式が今も現役?主要施策の成果書類の見直しを提案

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

決算について質問しましたが、今回は特に主要な施策の成果を説明する書類についてご報告します。

決算は区の説明責任を果たすだけでなく、過去の実績を把握し、今後の経営判断に活かしていくための重要な資料です。決算審査の際には主要な施策の成果を説明する書類も提出されますが、このことからも、事業成果の検討が議会に求められていると考えることができます。

この書類は監査委員の審査対象ではなく、形式も自由です。民間企業でも財務諸表以外の情報提供を充実させ、経営分析や視覚的な資料の工夫が進んでいます。しかし、少なくとも私が議員になってから、この書類の形式が変わった記憶はありませんでした。

気になって議会図書館で古い資料を探してみたところ、ちょうど私が生まれた昭和62年の決算関連資料を見つけました。資料には「東京都新宿区」と記され、一般会計は800億円台、公営質屋の特別会計があったりと時代を感じる内容でした。そして、主要施策の成果に関するページを見てみると、驚くことに当時の様式が現在とほとんど同じだったのです。
もしかすると、私が生まれる以前からこの書式がほぼ変わっていない可能性があります。

本来であれば、決算実績に基づく行政評価と一体で示し、議会で議論しやすい形で提示されることが望ましいと思います。新宿区では内部評価が行われていますが、それを主要施策の成果説明書類に落とし込み、さらに貸借対照表なども加えて提出するなど、改善の余地はあると考えています。

内部だけでの改善には限界があり、新たな視点を取り入れるためには会計の専門家へ相談することも有効ではないかと考え、質問を行いました。

以下、質問と答弁です。

伊藤 現在の様式はいつから用いられているのでしょうか。また、財務報告を充実させるために、様式については先進事例の調査や随時見直しが必要ではないでしょうか。新たな視点を取り入れるために専門家へ相談するなどの対策が必要ではないでしょうか。

区長 決算書等の様式についてのお尋ねです。
決算書、歳入歳出決算事項別明細書などの附属書類の様式は法令で定められており、昭和40年代に、ほぼ現在の様式と概ね同様となっています。決算書と併せて作成している予算執行の実績報告は、平成4年度決算から、主要事業の成果の概要に主要施策事業の説明を加えることで充実を図っています。
ご提案の専門家への相談は考えていませんが、他自治体の先進的な取組について研究してまいります。

企業では財務諸表以外の情報開示が進み、資料もわかりやすく改善されています。
自治体においても改善の余地があると考えているため、引き続き取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。