東京都の青山スタートアップ・アクセラレーション・センター(ASAC)へ!

本日は、東京都の青山スタートアップ・アクセラレーション・センター(ASAC)へお伺いしました。
青山スタートアップ・アクセラレーション・センター

運営会社はトーマツベンチャーサポート株式会社です。
トーマツベンチャーサポート株式会社 – Deloitte

以前当ブログでもご紹介させていただいた、「Morning Pitch」の運営を行っている会社です。
Morning Pitch « ベンチャーと大企業の事業提携を生み出すプラットフォーム

Morning Pitchでもお世話になったインキュベーションマネジャー・公認会計士の佐藤さんにご案内をいただき、入居中の起業家やベンチャーキャピルの方と意見交換をさせていただきました。

ASACでは、アクセラレーションプログラムが提供されています。
女性起業家支援、東京都の政策課題に取りくむスタートアップ、また、ソーシャルやものづくり等のVCが投資しにくい分野でのスタートアップが対象となっていることが特徴です。

本日も、うつ病患者の家族支援に取り組むスタートアップ企業とお話をさせていただきました。
NPO法人などが取り組む事例を見てきましたが、マーケットサイズも小さくマネタイズが非常に難しいことから、小規模で自己資金、寄付、場合によっては税金で運営されていることもあります。

社会的にニーズがある事業であれば、スケールしてより大きなインパクトを与えるためにも、株式会社として取り組む価値のある分野だと考えています。

スタートアップ企業と行政の接点は皆無ですが、実際に良い連携の方法はあります。

例えば初期のスタートアップでは、プロトタイプを開発して1,000万円程度のシード投資を受けるために投資家に対してプレゼンテーションを行うことがあります。
その過程で、周囲からヒアリングを行い、事業のニーズを探りながらビジネスモデルをブラッシュアップしていきますが、それだけでは的外れなプロダクトになってしまうこともよくあります。

特に社会性の高い事業の場合は、たいていのことは国、都、区のどこかで何かしらの事業が行われているはずです。
もちろん、ミクロな視点や肌感覚を得るためにもインタビュー調査のような手法も必要ですが、過去に行政が行った事業を分析することや、蓄積されたデータに基づき事業を組み立てていくことは、一定の価値があると考えていますし、何よりも無料です。
これまで行政が行ってきたこと以外の手法で勝負するという意味でも、過去の事業を把握することでビジネスモデルもエッジが効いてきますし、公的なデータを引用した方が投資家への説得力も少しですが増すことになると思います。

以前もブログに書きましたが、新宿区のスタートアップに対する理解はほとんどありません。
2015年に行われた決算特別委員会の産業振興課長答弁から、「ベンチャーキャピタル」という単語を知らないという衝撃的なことがわかりました。
産業振興に関する責任者がこのような状態で、新宿区立高田馬場創業支援センターが運営されていることにも大きな問題があります。

税金を投じることで安く利用できるコワーキングスペースが提供されることにはメリットがあります。
しかし、新宿区内では同様の価格帯で他にも民間のコワーキングスペースが提供されているため、ほとんどメリットはありません。
さらに、インキュベーション・マネージャーが常駐しているにもかかわらず、いまだに急成長したスタートアップ企業の事例は耳にしたことはありませんので、根本的に問題があると言えるでしょう。

新宿区内では、例えばサイバーエージェント・ベンチャーズなど民間企業による起業家への支援が充実しています。
支援先の企業では上場している企業もありますし、新宿区の創業支援センターと比べると雲泥の差があります。
イケてない支援を続けたところで税金を効果的に活用をしているとは言えず、創業支援センターは廃止が妥当だと考えています。

行政や議会では「スタートアップ」という言葉自体がほとんど浸透していなかったことも踏まえ、少しでも関心を持っていただきたいとの想いから、新宿区議会における活動団体名(会派名)を「スタートアップ新宿」とさせていただきました。
質問内容もスタートアップに関連するものを積極的に扱っています。

これから新宿区内でも効果的な起業支援ができるよう、2017年の議会では現場目線からの提言を行う予定です。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社