デジタル公民連携(DPPP)が「イケてる自治体」を生み出す

税金や補助金に依存しないまちづくりのあり方として、公民連携(Public Private Partnership)が注目をされています。

紫波町のオガールプロジェクトが有名です。

岩手県紫波町「オガールプロジェクト」 補助金に頼らない新しい公民連携の未来予想図

■「補助金やめますか? それとも人間やめますか?」

まず、「成功と言われる再開発・区画整理などの過去の地域活性化手法は、現在の社会環境には通用せず、9割9分は失敗しています」と厳しく批判したのは、木下さんだ。自治体が大型の公共事業で立派な施設を建築したものの集客に失敗、赤字となっている全国の事例を紹介しながら、問題点を指摘した。

「成長時代には、税金をぶちこんで施設開発などを行えば、それで『成功』とされてきた。しかし、今ではこれはだめです。社会が縮小して需要全体が縮んでいく中で単に公共が投資したからといって、民間がついていくわけではありません。公共は作ることが目的で、民間は儲けることが目的ですから、儲かりもしない事業を公共が率先してやって誰もこない、施設経営として損をしている状況をみた瞬間に、民間はその地域ではやはり儲けられないとわかり、民間投資は別の場所にシフトします。今後は公共は民間より先んじて、しっかりと稼げる投資をしなければ、少なくとも地域活性化には寄与しません」

不動産を活用した新しいまちづくりが普及しています。
以前私も参加させていただいたリノベーションスクールなど、実践的に学ぶ場もあります。

リノベーションスクールについて(過去のブログ)
税金まちづくり」の時代はもう終わり。新宿区でも民間主導のリノベーションを

私自身が事業としてリノベーションまちづくりに取り組むことも検討しました。
しかし自分のこれまでのバックグラウンドを考えると、不動産、飲食、あるいはイベントなどが得意なわけではないため、別の方法が良いのではないかと思いました。

そこで少し趣旨を変えて、不動産ではなくデジタルを軸に、「デジタル公民連携(DPPP)」の分野に取り組むことを検討しています。

テクノロジーで社会を変えるという意味ではシビックテックと重なりますが、コンピュータを活用した政策立案、デザインなどクリエイティブも含めたコンピュータで対応できる部分を民間事業として行います。

また、費用対効果の高いベンチャー企業への業務委託を推進することも必要だと考えています。

以前、自治体支援やベンチャー支援に取り組むトーマツベンチャーサポートさんの勉強会で、
「ベンチャー企業への発注を躊躇している自治体がある。」
という話を伺いました。

その理由としては、自治体がベンチャー企業の実態を知らないことや、大企業に比べて信用力が低いことが挙げられます。

仕事で新宿区の委託事業者をチェックすることがありますが、大企業VS大企業のような争いが繰り広げられており、ベンチャー企業が参入する余地はありません。
産業振興を担当している部署の理事者でさえベンチャーキャピタルの実態を把握していない状況であれば当然です。

大企業には大企業の良さがあると思いますが、同じ会社とばかり仲良くしている限り、新たな価値を手にすることができません。

以前もブログに書きましたが、区議会と役所の打ち合わせで、アドリブではなく事前に用意した資料を「音読」していることもあります。
平均給与700万の職員に音読させているのは、どう考えても効率的だとは思えません。
音読ソフトを使ったり、そもそも会議を開かずにメールで資料を送れば済む話です。
高い人件費がかかっているコスト意識もなく、日常的に無駄が当たり前になる環境こそ、テクノロジーを導入していくべきです。

ITベンチャーのような成長率の高い分野が「公」の仕事を担えることで、高い費用対効果を出すことができると確信しています。

これから、公民連携(PPP)の手法をデジタル分野に振り切っていきます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社