9月17日からはじまった、長い決算特別委員会が終了しました。
本日は、自分用のメモもかねて過去記事と一緒に、決算に関してまとめをさせていただきます。
決算特別委員会では、決算書の数字に基づいて裏付けや賛否を問うこと以外に、
支援者や組織から上がってくる事業や予算について
幹部職員へ要望する質疑の時間が非常に長かったと感じています。
せっかく「決算」についての議論をする貴重な機会なので、
もっと鋭くコンパクトな議論ができたようにも思えます。
関連記事もご参考に。
数字に基づかない決算特別委員会総括質疑と関連資料リンクなど。
時間が押していることが明らかな状況ということもあり、
私の質疑では事業に関する要望は極力控え、
1日の総質疑時間の1/38(新宿区議会の議席数が38なので)に相当する10分弱ほどお時間をいただき、
「表面上の資料ではわからないこと」を明らかにするため、質疑をさせていただきました。
(今後も自主的にこのようなルールで質疑をしたいと思います。)
「表面上の資料ではわからないこと」ですが、
例えば、物件費に関して、単純に建物の費用ではなく人権費なども含まれ、
現状の制度でその内訳まではっきりと把握ができないという実態がありました。
また、基金を積み立て利子収入を得ながらも借金をして利子を支払っているなど、
財政資料をみても理解し難い点がありました。
また、質疑をする過程で、中には理解に苦しむ事業もありました。
例えば、区民住宅は数十倍から百倍近い高倍率、1世帯あたりの経費が220万円以上と
当選者と落選者の間で大きな不平等があり、実質的には宝くじのような政策です。
また、産業政策ではベンチャー企業がIPOするなどイグジットを想定したものではありませんでした。
そして先日のしんじゅく地域飲食券の配布や、
数千万円の予算がついた商店街関連のくじ引き大会の企画など、
経済成長を想定した明確な目標を持たない事業が行われています。
質疑をさせていただくことで個別の事業における課題が明らかになりました。
各事業の解説はこちら。
区民が主役の財政への壁。普通は読まない難しい決算・財政資料のはなし
一世帯平均約226万円の宝くじ!?新宿区民住宅抽選の不公平と住宅バウチャー
新宿区産業振興課長がVC(ベンチャーキャピタル)を知らず事業を実施する実態
1枚当たり100円お得になる「しんじゅく地域飲食券」。なんと5,700万円もの予算が
これらは、納税者が知らないことで不利になる情報です。
私は委員を担当したからこそ、一定の理解を深めることができましたが、
日々仕事に追われる一般の納税者はこのような情報を得ることはできません。
税の種類や、事業数が増え、日々多忙な民間の目線から区政を把握することは困難です。
そして自治体も、国が定める決算資料を提出することだけでは、
今後も資料としては不十分になる可能性が高いと思います。
決算において大切な視点はたくさんありますが、
事務的な瑕疵があるかどうか、納税者が区政の主役になっているか、
それらを明らかにするためにも、わかりやすい資料による説明ができるかという観点が重要だと思っています。
これらの情報開示に関して本日まで納得のいく説明は受けられませんでしたが、
法定資料を作成する手続きは正確で致命的な瑕疵が確認できなかったことを評価し、
ほとんど反対に近い立場から「賛成討論」をさせていただきました。
討論の内容を聞いて「反対討論」だと勘違いされた方もいらっしゃるくらい、
課題の指摘、情報開示に関する要望をさせていただきました。
区民が決算・財政にアクセスする度合いを増やすこと、
納税者が知らないことで不利になる情報をわかりやすく開示する姿勢が改善されない限り、
次回は「反対」をさせていただければと思います。
関連記事もご参考に。
住民の意思に反した採決を防ぐために。自治基本条例→住民投票条例制定へ
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文教子ども家庭常任委員会など、所属する委員会の職員の方へ質疑をさせていただく機会はあっても、
所属委員会以外の部署とは交流はほとんどありません。
様々な担当部署の方のお話をお伺いできたことで、今後の議会活動に大きくプラスになる機会でした。
来週からは、常任委員会、特別委員会がスタートします。
気を引き締めて臨みたいと思います。
それでは本日はこの辺で。