ソーシャルビジネスで生涯現役。柔軟な公民連携とシニアヘルパーが介護の未来を明るくなる

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

先日は、政策調査も兼ねて「生涯現役フォーラム」へ。
100年生きる社会に突入し、今後、これまでのライフスタイルは通用しません。
国や自治体は高齢化にともない財政的な課題を抱えています。
今の仕組みのままでは、将来世代にさらなる大きな負担を強いることになるでしょう。
もちろん、シニア世代を対象とした政策に限ったことではありませんが、改革が必要です。

人生100年時代に対する一つの解が、生涯現役です。
生涯現役フォーラムの主催者でもある東瀧代表は、30年以上も前から生涯現役に着目され、草の根で活動をされてきました。
生涯現役フォーラムでは、株式会社かい援隊本部新川政信会長が講演をされていました。
新川会長は、シニア世代の職業紹介、人材派遣を行うソーシャルビジネスを立ち上げられました。

株式会社かい援隊本部|介護の人材派遣サービス – 高齢世代の働く場所を実現 –

平均70歳で、80歳を超える方もお仕事をされているそうです。
日本にはおよそ3300万人もの元気なシニアの方がいらっしゃいますが、お仕事を希望される方が増えているそうです。
派遣と聞くと安定性がないお仕事のように聞こえるかもしれませんが、シニア世代の方は週3日程度の勤務を希望する方も多く、むしろ適しているようです。

特に注目されテレビでも取り上げられているのが、シニアヘルパーです。
シニアがシニアを介護する、「老老介護」の現状についてたびたびメディアでも報じられ、ネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。
また、介護は過酷な現場という印象もあります。
シニア世代の方は人生経験が豊富という強みがあり、実は介護現場と相性が良い、とのことです。
現場では、力仕事以外のお仕事を中心に活躍されています。
介護業界は深刻な人手不足が問題視されています。
若い世代の中には、やりがいを感じ介護の仕事を選ばれている方も多いと思います。
一方で、新川会長は掃除洗濯、調理補助から車の運転まで、子どもや孫の世代に負担をかけるのではなく、自分たちシニア世代が引き受けることが大切だとおっしゃっていました。

さて、この事業は自治体とも大きく関わります。
働く意欲があり、新宿区や各自治体ではシルバー人材センターで登録をしても、仕事のマッチングがうまくいかない場合があります。
柔軟な対応を取られたのが、江戸川区です。
当時の福祉部長から、
「シルバー人材センターに加えて、民間と二重で登録したらどうでしょう。」
と新川会長にご提案があったそうです。
江戸川区では、選択肢の一つとして民間の職業紹介サービスをご案内されているそうです。
通常であれば、民間の参入は敬遠されるものです。
民間との連携により、コストをかけずに利用者の立場を考えて仕事を選べる選択肢を増やすことに成功しました。

現役世代対立することなく、シニア世代が将来世代のためを思って行動をしていただけることを、ありがたく感じています。
繰り返しになりますが、高齢者の課題を行政のみで解決するには限界があります。
ネガティブなことではなく、行政が万能ではない点を認めることから、新しい道をきりひらくことができるようになるでしょう
また、私たち現役世代も、人生100年時代にどのようなライフスタイルで生きていくのか、考えなければなりません。
高齢者福祉について、次の議会で質問を予定しておりますが、新しい視点で積極的に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社