財務諸表の11月提出は遅すぎる。決算の早期化と行政評価を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

第二回定例会で公会計について質問したので、ご報告させていただきます。

最近は、会社で会計の仕事をする機会が増えました。
企業と似たような財務諸表も用いていますが、基本的には現金主義会計の単式簿記が採用されています。

民間では、期末後45日で決算が公開されますが、自治体では謎のルールが多く存在し、9月に決算委員会が開かれ、財務諸表が出てくるのは11月と信じられないくらい遅いです。
公会計データを自治体経営に活かすことも必要です。

以下、質問と答弁です。

伊藤 区長は、公会計の情報を意思決定をする際に活用されていますか。行政評価に会計データが十分に反映されていないことで不便に感じたことはありませんか。また、今後改善するお考えはありますか。人件費を配賦できるよう仕組みを整備すべきだと考えていますが、いかがでしょうか。現金主義会計には問題はないのでしょうか。決算を早期化し、決算特別委員会までに財務書類を提出すべきだと考えていますがいかがでしょうか。

吉住区長 区では、施設の老朽化対策にあたり、優先的に整備すべき施設を選定する際に、固定資産台帳に基づく減価償却率等を活用し、予算編成を行っています。また、新宿区施設白書や個別施設計画において、施設別のトータルコストを算出し、コスト分析を行い、施設マネジメントに取り組んでいます。さらに、外郭団体を含めた財務書類を作成していることから、団体の経営状況を捉えた助成ができるよう活用しています。

次に、行政評価への会計データの反映についてのお尋ねです。現在、計画事業の内部評価シートにおいて、費用対効果の視点から、人件費を含む事業経費を単位当たりのコストを算出し、参考数値として掲載しています。
今回、行政評価については、PDCAサイクル強化の観点から、前年度の評価に加え、これらがどのように当該年度の計画に反映され取り組まれているか、一連の流れで評価できるよう見直しを行いました。今後、評価の中で行政コストのあり方についても、費用対効果や他自治体の状況も考慮しながら、検討してまいります。

次に、現金主義会計と決算の早期化についてのお尋ねです。地方公共団体の会計は、議会の統制による予算の適正な執行を実現するため、確実性、客観性、透明性に優れた現金主義会計を採用しています。そして、法令でその審査に必要な書類として、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する長所及び財産に関する長所が定められており、これに基づきご審査いただいているものです。一方で、発生主義会計に基づく財務書類については、連結対象団体の決算認定前の数値を使用する等、本区の決算審査の前提とするには相応しくない要素も含まれているため、これまで決算審査終了後に、例年11月頃を目処に作成しています。

大学院では公会計の研究室に所属し、会社でも会計に触れる機会が増えました。
決算の早期化については、何度も提言していますが、結果が出るまで続けます。

外で学んだ知見を活かし、新宿区政で結果を出せるよう、引き続き議会活動に取り組みます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社