影響40億のふるさと納税と新宿区の対応

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

ふるさと納税について質問しました。

ふるさと納税が区財政に与える影響は、大きくなっています。
新宿区は令和5年度からふるさと納税管理事務を行うことを示しました。
返礼品として区内で生産された商品や体験などが検討されています。

まず、区内で生産された商品として内藤とうがらしは定番かと思います。内藤とうがらしは、福祉作業所で生産されている場合もあります。
新宿区の歴史や文化、そして福祉的な観点からも、自治体が取り組む意義はあると思います。

また、注目を集めるという意味ではデジタル上の返礼品を検討しても良いと思います。
ふるさと納税でNFTを返礼品とする自治体も増えています。
NFTマーケットプレイスOpenSeaのオークションにおいて、鉄腕アトムのNFTが約5,600万円で落札されました。新宿区に関係のあるNFTを返礼品とすることで人気が出る可能性があります。

また、新宿ならではの体験を返礼品とする場合、観光等でより汎用的に活用できる地域通貨が有効です。
渋谷区では地域通貨「ハチペイ」を返礼品としています。
宿区独自のデジタル地域通貨を発行することもできます。他にも新宿区内ではすでに地域通貨であるアトム通貨が流通していますので、連携することもできるかもしれません。

以下、質問と答弁の要旨です。

伊藤 ふるさと納税の影響額はどのくらい見込んでいるのでしょうか。ふるさと納税管理事務の予算が計上されていますが、返礼品でどの程度回収できるのでしょうか。採算についてご説明ください。
福祉作業所と連携した新宿に関する商品、新宿に関わるNFT、地域通貨に関する返礼品は有効と考えていますが、どのような返礼品を検討されているのでしょうか。

吉住区長 令和5年度のふるさと納税の影響による減収額については、約40億円と見込んでいます。
また、寄附金見込額については、返礼品の開始を令和5年10月と予定していることや、他区の当初予算額、ふるさと納税受入額の実績などを参考に1億4,000万円としておりますが、より多くの方に新宿区を応援していただき、寄附していただけるよう新宿区の魅力を広く発信してまいります。
次に、ふるさと納税返礼品についてです。新宿区内には地場産業の商品を始めとした魅力のある品々やホテル・レストラン、観光・文化資源が多くあります。寄附していただいた方に商品を送る「モノ消費」だけでなく、寄附していただいた方が実際に新宿区を訪れ、体験・観光してもらう「コト消費」の返礼品も設定していく予定です。他自治体においても様々な工夫を講じて返礼品を設定していることは承知しております。ご指摘の福祉的な観点や他自治体の事例も参考にしながら、ふるさと納税制度の本来の趣旨に浴って、新宿区ならではの返礼品を検討してまいります。

他の議員さんも質問されていたので、関心の高いテーマです。
新宿区も頑張れば良いというご意見もありますが、そもそも対等な制度ではありません。
減収分の補填がない不交付団体は極めて厳しい条件であり是正すべきです。
引き続き不合理な税制の見直しについては要望を続けます。

ふるさと納税の影響をなくすことは難しいですが、対応することを決めたことについては、できる限り社会的意義のある事業で新宿区を盛り上げることができればと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社