経営感覚が問われる?自治体決算委員会の問題を民間企業(事業会社)と比較

今月から議会がスタート。
本格的な質問原稿の作成や、各種委員会の準備に突入しました。

さて、9月の新宿区議会では、
通常の本会議とは別に、「決算特別委員会」があります。
本日は自治体の決算についてのお話をさせていただきます。

自治体では事業計画に基づき年度ごとの予算を決定します。
ちなみに、その予算について議論をする「予算特別委員会」は2月からスタートします。
そして、1年間を通じて予算の執行実績を記載することが決算です。
議会においても、「決算を認定する」という仕事があり、
決算書類に基づき議会で議論をするのが決算特別委員会です。

例えば、民間企業(事業会社)の場合には、
取締役などの経営者が今後の経営方針を議論したり、
「その会社から利益がでたのか、でなかったのか」など、
決算を通じて投資家への説明責任を果たすことになります。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書や、
有価証券報告書、決算短信、投資家向けの説明会資料、
証券会社によるアナリストレポートなど、
IR(投資家情報)に関する資料を豊富に用意して判断をしていただくことになります。
ちなみに、上場企業の場合は、四半期ごとの資料を開示していますが、
これは本当に大変なことだと思います。

一方、自治体決算の場合は何が基準になるのでしょうか。

不正や事務処理上のミスがあるかどうかのチェックも必要ですが、
私はみなさまからお預かりした大切な「税」の使い道を明らかにし、
自治体の経営が適切だったのかを判断することが最も大切なことだと思います。

受益者負担、将来世代にツケをまわしたかどうかなど、
首長に対しての経営能力に対する議論をするべきだと考えています。

平成25年度新宿区決算書・実績報告に関する資料はこちらになります。
決算書・実績報告(新宿区ホームページ)

確かに歳入歳出に関する数字は記載されていますが、
なんと肝心の貸借対照表等の資料は決算書として扱われていないのです!

貸借対照表等の書類は、
公会計に関する資料として別途「財政白書」に記載されています。
財政白書(新宿区ホームページ)

しかし、事務処理の関係から決算特別委員会が実施された後の公開になります。
(昨年の場合は10月下旬になっています。)
全国各地に支社を持つ大企業でさえ、細かい情報公開をしているにも関わらず、
スピード感に欠けていると思います。
(その原因にもなっている出納整理期間に関してはまたの機会に。。)

このような書類に基づき決算特別委員会を実施していくわけですが、
せっかくの数字に基づく経営的な議論をするチャンスにも関わらず、
普段の議会での質問とあまり変わらず
単なる個別の事業に対する要望を述べる場に変わってしまう恐れもあります。

本日ご紹介させていただいた決算書類が不十分なことはもちろん、
複式簿記さえも導入されていないなど、
事業会社では当たり前の常識が行政には欠落しています。

財政の実態把握をし、議論するには明らかに情報が不十分です。

自治体の意思決定機関である議会の実態が、
これほどまでに遅れている現実をしっかりと各議員が認識し、
早期に制度の改善を実施していく必要があります。
そのためには、一人一人の議員の経営感覚も重要になってくると思います。

数字で議論をするためには膨大な量の資料や、
表に出てこない行政の裏側まで調査が必要ですが、
積極的な活動をしていくためにも頑張ります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

ベンチャー×政治。30歳最年少新宿区議会議員。無所属1人会派Startup SHINJUKUで子ども・若者のために奮闘中。365日ブロガー。機械学習。日本初のAI議員。ネット選挙。元学生起業家、楽器演奏。表現の自由。オタクとまちづくり。グリーンバード新宿。落合で妻と2人暮らし。