シェアサイクル事業の担い手はホームレス状態の方!NPO法人Homedoorの取り組み

本日はホームレス問題で先進的な取り組みをされている、NPO法人Homedoorさんの2015年度の報告会に参加しました。

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ホームレス状態を生み出さない日本へ NPO法人Homedoor | ホームレス状態を生み出さない日本にすべく、HUBchari事業や釜Meets事業を中心に活動するNPO法人です

代表の川口加奈さんは現在25歳、とてもお若いのですが大変活躍をされていてます。
中学生の頃からホームレス問題に取り組み、学生時代にNPO法人を立ち上げられた、注目を集めている若手社会起業家です。

少し前に話題になったGoogleインパクトチャレンジでも斬新なパトロール事業を提案しグランプリを受賞されています。
Google インパクトチャレンジ グランプリに選ばれました。

議員になる前の話ですが、ご縁があって3年前に川口代表とお会いすることになり(そして出会いのきっかけはTwitterでしたw)、少しお手伝いをさせて頂く機会がありました。
そこで私もホームレス問題について知ることになりました。

ホームレス状態の方に対して、
「もっと勉強してたら良かったんじゃないの?」
と自己責任だと思っている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

子どもの頃からDVや仕事をさせられたりするような環境で、努力ができるような状況ではなかった、仕事をするようになっても親に給料をすべて持っていかれるなど、想像を絶するような非常に厳しい環境から脱することができない場合があるそうです。

また、一度ホームレス状態になると履歴書に空白が出来てしまいます。
ホームレス状態の期間があると、面接を通過することは極めて難しいです。
住所がない人は雇わない、合格を受ける電話を持っていないため就職などできないなど、厳しい状況です。

新しい住居を探すにも、お金が必要なだけではなく、以前にどこに住んでいたかという住所が必要です。

生活保護という選択肢もありますが、税金の世話になりたくないという自立心から、10時間で1000円ほどお金が入る缶集めしている方もいらっしゃいます。

Homedoorさんでは、生活環境の改善や、仕事の機会を創出するなど、ホームレス状態から抜け出すための支援を行っています。
現在8つのプロジェクトが行われていますが、その中から一つ「HUBchari」というシェアサイクル事業をご紹介します。

HUBchari | 大阪の便利なレンタサイクル(シェアサイクル・コミュニティサイクル)「HUBchari」(ハブチャリ)

仕事をする機会が必要ですが、探すのは困難です。
実は、路上生活をされている方にとって、自転車は必需品です。
しかし、修理代が払えないため、自分で自転車を修理している方がたくさんいらっしゃいます。

一方で、大阪では放置自転車問題がありました。
また、外国人観光客の増加から、自転車のニーズが高まっているとのことでした。

そこで、ホームレス問題と自転車問題の二つ問題を解決するために、ホームレス状態だった方が活躍できるシェアサイクル事業が生まれました。

自転車も企業からの協賛でまかない、スペースは「ノキサキ貢献」と言って、ホテルのスペースなどを企業から提供してもらう方法で事業が行われています。
そのため、コストもほとんどかかっていません。
ホームレス状態の方は、自転車の修理など、シェアサイクル事業のスタッフとして参加しています。

支援される側から、支援する側へ変わります。

他にも、本日の報告会では、増加する民泊需要に対して清掃サービスを行う事業や、飲食店とお昼時のビジネスマンをつなぐ出前サービスの事業化を準備されているというお話がありました。
最新のビジネスモデルを取り入れた鋭い着眼点であり、目からウロコでした。

代表の川口さんは学生時代、毎朝通学の時に、路上生活の方が多いあいりん地区を通過することになり、
「近づいたらダメ」
と言われたそうです。
行くな、と言われて逆に気になってしまい実際に炊き出しに行ったことで現在の活動につながっていったそうですが、偏見が強いのが実態です。

私たち政治家も、そうした偏見を取り除くとともに、根本的にホームレス状態をなくすことができるようにしなければなりません。

Homedoorさんの取り組みの中には、ヒントがたくさんあると思います。
今後もお話をお伺いしながら、政策提言につなげていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社