共働き、ひとり親世帯のためにも、教育委員会はPTAの負担軽減を

昨日の教育委員会に、PTA活動について代表質問を行いました。

前回もブログでご紹介しましたが、学校によってはほとんどの世帯が共働きやひとり親という場合もあり、活動のあり方を改めて見直す必要があると問題提起させていただきました。

過去の経緯はこちら↓
地域活動やPTA活動が縮小することは時代の変化なのでまったく問題ない

前回ブログを投稿したところ、PTAにより辛い思いをしている複数名の方からメッセージをいただきました。
子育て世帯にとっては深刻な問題ということだと改めて痛感しました。

もちろん、PTAは各学校で独自に運営されているものです。
そこに関してはあえて私が口を出すつもりはありませんが、今回調べていると教育委員会が大きく関わっていること、負担の増減に影響を与えていることがわかりました。

さて、ちょっと長いですがPTAに関する質問の全文を掲載します。

伊藤 本来は子どものためになる、人とのつながりを得られるなどメリットの大きいPTAに関しても、共働きやひとり親などの増加により、参加が難しい方が多くいます。強制力があるため、精神的に追い詰められてしまう保護者の方もいらっしゃいます。そのため全体として仕事量を減らすことが重要だと考えています。
朝日新聞がPTAのイメージについてのアンケートを行った際に、73.4%が「面倒くさい・負担が大きい」と回答しています。ネガティブな側面にも向き合い対策を行わなければいけません。
第一回定例会でのPTAの負担に関する質問に対して、教育長からご答弁をいただきましたが、広報による啓発、あるいは東京商工会議所新宿支部による協力依頼状の効果は未知数です。多くが共働きかひとり親であるから負担が問題になっているにもかかわらず、負担減を目指すPTA研修が日中に行われているなど根本的に問題があります。
また、教育委員会によって発行される「保護者の家庭教育参加のための協力について」という書類を活用することで、PTA活動のために仕事を休めるようにするという取り組みも行われています。しかし、今年書類が発行されたのは6月24日で、本当に忙しい春先の学校行事・PTA行事が重なる時期には間に合いません。さらに以前は教育長の印鑑が押されていましたが、現在は印鑑省略と印字されるのみで、偽造書類のようだというご意見もいただいております。
次にPTA連合会に関してです。仕事の負担から無理をせず脱退することも、時代の流れとしては当然に起こることで、認められるべきことだと思います。しかし、PTA連合会は教育委員会へのパイプ役としての機能があるため、脱退したPTAとの差ができてしまうことを懸念しています。
これから東京オリンピック・パラリンピックに向けて様々なイベントが行われると思いますが、PTA連合会に所属している学校と、そうでない学校で差ができてしまうことはあってはなりません。

そこで質問です。
1.PTA活動により精神的な負担を抱えている保護者について、教育委員会としてどのようにお考えでしょうか。こうしたネガティブな側面にも対して情報取集などを行い、改善策をお考えでしょうか。

2.第一回定例会でご答弁いただいた内容で、十分負担軽減ができるとお考えでしょうか。「保護者の家庭教育参加のための協力について」の用紙についても、配布時期や印鑑など改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

3.PTA連合会の加入状況によって、不利益が生じることはありますか。イベントなどの開催に関しても、窓口をPTA連合会に集約するのではなく、各学校と決定することで平等になると考えていますが、いかがでしょうか。

教育委員会のお考えをお聞かせください。

教育長 最初に、PTA活動の負担軽減についてのお尋ねです。
PTA活動は、地域と連携した教育活動を推進するために大変重要な役割を担っていますが、活動に参加されている保護者の中には、負担感をお持ちの方も多くいらっしゃることは「教育長を囲む会」等の機会を通して認識しており、支援が必要であると考えています。

平成28年第一回定例会でお答えした通り、教育委員会ではPTAの負担軽減を目的として、研修会等の機会にPTAの効率的な運営方法について情報提供を行っていますが、この他にも、PTA連合会や協議会の広報誌発行の支援等を通して活動活動を周知し、担い手の拡大を図っています。
「保護者の家庭教育参加のための協力について」の文書は、ワークライフバランス推進を目的とした男女共同参画週間に合わせて6月に発行しています。この文書は、PTAを通して保護者の皆さんにお渡ししている他、東京商工会議所新宿支部を通じて区内の企業等にも電子データで配布しています。このため、公印は省略して発行していますが、発行の時期や回数等については今後、さらに効果的な活動支援となるよう、PTAのご意見等をお伺いしながら改めて検討します。

次に、PTA連合会未加盟校への対応についてのお尋ねです。
現在、小学校では4校がPTA連合会に加盟していませんが、教育委員会では未加盟校に対しても、様々な支援を行っています。
各校のPTA活動の支援を目的に開催するPTA研修会では、未加盟校にも参加を呼びかけている他、PTAが企画・運営する家庭教育支援事業についても、加盟校と同額の予算を申請し、子どもや保護者を対象とした事業を実施できる制度となっています。
また、PTA連合会が児童にスポーツや文化の機会を提供することを目的に実施する「ゆめ事業」についても、教育委員会からの委託事業として開催するイベントでは、PTA連合会が窓口となって、未加盟校の児童にも参加を呼びかけています。
今後もPTA連合会への加盟の有無に関わらず、PTAが円滑に運営され、全ての子ども達に地域と連携した様々な体験の機会を提供できるよう、PTAの活動を支援していきます。

まず、PTA活動の負担軽減のために行っているとされる研修ですが、前提として日中に開催されているため、根本的に問題があることを指摘しました。
こうした点には触れられていないため、率直に、答弁としては不十分なところもあると感じました。
一方で、「保護者の家庭教育参加のための協力について」という用紙の発行時期、印鑑省略の表記が偽造書類のように見えてしまう問題については、効果的な書類となるよう改善が行われる可能性があります。
「PTAのご意見等をお伺いしながら」との前提があるため、PTAの方はぜひ率直なご意見を届けていただければと思います。

また、PTA連合会を脱退(≒負担減)に取り組む学校に関しても、加入の有無にかかわらずご配慮をいただけるようです。
こうした答弁は教育委員会としての公式な見解であり、記録に残すことが大切です。

本来は地域のつながりができるなど、PTA活動のメリットは大きいものです。
今後も、PTA活動の負担軽減は重点的に取り組むテーマにしていこうと考えています。

「議会活動が偏っている。もっと社会的弱者や高齢者のために活動すべきだ。」
というご意見もよくいただきます。

確かにご指摘の通りです。
自ら志願して学校、子ども、若者についての議論をする「文教子ども家庭委員会」に入れていただきました。
昨日のブログでもご案内の通り、代表質問でも若い世代に関連するものばかりを扱ってきました。

しかし、私個人に偏りがあるのはそうかもしれませんが、社会全体、あるいは行政や議会の場では、若者はマイノリティな存在だということを忘れてはいけません。
そもそも20代議員は、全国でも1%未満、若者の街であるはずの新宿区でも若い世代の声は圧倒的に足りていないと痛感しているところです。

幸い新宿区議会では30代、40代の議員がたくさんいらっしゃるので、若者政策についてはリアリティを持って共有できる環境にあります。
大きなチャンスだと捉え、まわりくどいことはせず、ストレートに子ども・若者に振り切った活動を続けることで、新宿区政を動かしていきたいと考えています。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社