抽選で月600円の激安駐輪場が当たり、外れると民間で1時間100円

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

駐輪場について代表質問をさせていただいたのでご報告させていただきます。

質問原稿はこちら。
平成29年 第2回定例会(スタートアップ新宿)代表質問(要旨)【一問一答】

まず、今回質問をさせていただいたきっかけは、西落合在住の方がこれまで利用していた落合駅駐輪場の抽選に外れてしまったというお話を伺ったことでした。
落合駅駐輪場は、エリアや徒歩のスピードによりますが、西落合からだと徒歩で30分程度かかってしまいます。

駐輪場の問題も、保育園や住宅と同様に、抽選に通った人には大きな公費投入が行われます。
多くの行政事業に言えることですが、同じ税金を支払っても公的な支援が異なるのは不平等だと言わざるを得ません。

過去のブログもご参考に。

一世帯平均約226万円の宝くじ!?新宿区民住宅抽選の不公平と住宅バウチャー

一方で、ピーク時であっても定期利用の駐輪場は空いています。
公費が投入されていることから激安で利用できるため、稼働率に関わらずとりあえず確保しておこうというインセンティブが働いていることにも、原因があると考えられます。
根本的な問題解決には、非効率な自転車施策を見直すこと、特にテクノロジーの活用を行っていくことが望ましいと考えています。

以下、質問と答弁です。

伊藤 駐輪場の抽選方法では運に左右され、ご納得いただけない方もいらっしゃると思います。より細かく点数をつける方法もありますが、今後ご検討いただく可能性はありますか。

吉住区長 区内駐輪場等の定期利用では、身体障害者手帳等の交付を受けている方を優先的に利用承認するなど利用者の優先順位を定めています。また、定員を超える申請があった場合には、抽選を行っています。
駐輪場の利用を希望される方には、様々な事情があることから、現在の制度は、全体として一定の公平性は担保されていると考えています。
そのため、細かく点数をつけ優先順位を決める方法への変更は、考えておりませんが、定期利用と一時利用の割合を見直すなど、抽選に漏れた方も含め、より多くの方が駐輪場を利用できる環境を整備してまいります。

伊藤 オープンデータとIoTを活用して駐輪場対策を行っていくことや、IoTのノウハウがある民間企業との連携も有効だと考えていますが、いかがでしょうか。

吉住区長 区立駐輪場の地図情報や利用条件等の情報は都と連携して公開していることから、オープンデータとして民間事業者にも利用されています。
ご指摘のIoT等の新たな手法による駐輪場対策やIoTのノウハウがある民間企業との連携については、リアルタイムに駐輪場の空き情報を確認できるなど利用者の利便性向上につながるため、今後、他の先進事例も参考にしながら研究してまいります。

伊藤 公園内に線を引いて新たな駐輪場を設置するコストはどれくらいかかりますか。また、公園などの公共スペースの一部を有料駐輪場として利用することについてはどのようにお考えでしょうか。

吉住区長 区が行なっている公園内での駐輪場整備は、公園利用者のための駐輪スペースとして、白線を引いた簡易的な整備となっていることから、ラック等の設置を伴う一般的な駐輪場に比べれば、非常に安価なものとなっています。
また、公共スペースの利用については、特に自転車利用が集中する駅周辺の道路の一部を駐輪場として活用しているところですが、公園を含む他の公共スペースでは、施設本来の設置目的に加え、当該施設利用者の意向や安全性などに十分な配慮が必要であると考えています。

すでに自転車シェアリング事業では、リアルタイムでどこに自転車があるか把握できます。
駐輪場についても、空いている駐輪場の情報をIoTで管理することが必要だと考えました。

また、少し前に落合駅前に民間の駐輪場が56台設置されました。
新宿区役所に確認したところ、区が働きかけた訳ではないそうで、需要が高いため民間企業が自主的に設置されたものと考えられます。

駐輪場は、駅からの距離に応じて料金が変わります。
駅近でなければ最初の2時間無料で9時間毎に100円の駐輪場もあります。
駅の近くでは最初の1時間無料、その後は2時間毎に100円という場合もあり、毎日駐輪するとそれなりの金額になります。
新宿区の路上駐輪場は、定期が1ヶ月600円、一時が2時間無料、24時間毎に100円という価格設定になっています。
比較すると高いように感じますが、これこそが公費負担のない本来の価格で、抽選に外れた場合やはり不平等に感じる方もいらっしゃると思います。

新宿区の駐輪場に関しては、価格を引き上げること、抽選に外れてしまった方の中でも明らかに距離が遠い方には事情を説明すること、一駅先の駐輪場をご利用していただけるようご案内することに加え、バウチャー制度で対応するなど、より公平性を担保できる施策が必要です。

また、公共スペースを駐輪場として活用する案に関しても、自転車シェアリングで公園を利用する事例も出てきたことから、費用対効果を踏まえた上で今後検討が必要だと考えます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社