鯖江市は小中学校全教員が遠隔プログラミング研修!子どもたちも、ロボットつくっちゃった!

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日は、ずっと行きたかった福井県鯖江市へ。
鯖江市と言えば、オープンデータやプログラミング教育など、ICTに関して最先端な取り組みをされています。
また、「市長をやりませんか?」企画やJK課など、若者政策についても先進的な取り組みをされています。

ICTと若者と言えば、私が区政で取り組んできた分野です。
新宿区よりも進んでいる取り組みが多く、まずお手本にさせていただいたのが鯖江市です。
議会で政策提言をさせていただく際にも、事例として引用させていただきました。

小学校、市役所、市内の施設など、様々な現場へ足を運び、担当職員や企業の方にもお話をお伺いすることができました。
本日から数回にわたり、鯖江市の事例についてご報告させていただきます。

まずは、プログラミング教育についてご紹介します。
データシティ鯖江の仕掛け人でもあり、ICT政策でも大変お世話になっている株式会社jig.jpの福野泰介社長が講師となり、市内すべての小中学校の全教員を対象に鯖江東小学校にてプログラミング教育の研修が行われました。
2020年には小学校のプログラミング必修化、中学校でも一部行われているものが強化される見通しです。

今回は、市内小中学校の「全教員」へ研修が行われましたが、この取り組み自体が超先進的です。
当然ながら一般的なパソコン室では入りきらないほどの対象者がいます。
そこで、今回はテレビ通話システムで実現しています。

実際に私自身も研修を受講させていただきました。

福野さんのブログから引用させていただきますが、当日のスライドも閲覧可能です!

鯖江市全15小中学校を結んだ教員向けプログラミング研修とネクストステップ、総務省実証事業と同日開催 #IchigoJam #KidsIT #doc / 福野泰介の一日一創 / Create every day by Taisuke Fukuno


新宿区で開催した勉強会でも福野さんにお話いただいたように、100円のコンピュータ(CPU)でも1秒間に5000万回もの計算できるということからICTの可能性を考えたり、あるいはコードを打ち込み、基本的な文法などプログラミングを学び、その後アクションゲームをつくる研修となりました。
プログラミングの時間は大変充実していて、ただコードを書き写すだけでなく、慣れてきた教員の方はつくったアクションゲームを改造したり、バグをつぶすところまで体験しました。
また、福野さん自身がエンジニアということもあり、情報セキュリティやIoTなど旬なテーマについても考え方を学ぶことができました。

そして、同日には、小学生を対象としたプログラミング教室が開催されました。


前半は教員向けの研修で行われたゲームの開発が行われましたが、子どもたちはさらに難易度が高いロボットをつくるところまで学習しました。
基礎的なところから、センサーやモーターを活用して車のワイパーのようなメガネ拭きをつくってしまったのです。
子どもたちがロボットをつくる様子はテレビでも放送されていました。

この時に使ったコンピュータは、福野さんが子どもたちのプログラミング学習用に開発した、たったよ1500円で買えるIchigoJam。

こどもパソコン IchigoJam – はじめてのプログラミングパソコン(1500円)

学んだ後はコンピュータがプレゼントされ、自宅でも引き続きプログラミングができるようになりました。
何名かは、夏休みの自由研究で挑戦するようですが、IoTが注目される中で、大変良いテーマだと思います。

格安のコンピュータ、ロボット(電子工作)に関する書籍やパーツは、Amazonやネットショップでもすぐに購入ができるものです。
また、大人こそプログラムを学ぶには数多くの経験を積んでいるため有利な条件のはずです。
しかし、いざコードを書く黒い画面やセンサーなどの部品を見てしまうと、
「プログラミングなんてやったことないし、ロボットは作るのなんて無理だからやめておこう…」
となってしまうものです。

本日、子どもたちに、
「ゲームが好きな人?」
と福野さんが聞いても全員手をあげ、
「ゲームをつくりたい人?」
と再び質問しても、全員の手があがりました。

簡単なことではありませんができるという前提で、黙々と長時間にわたってプログラミングに熱中する様子を見ることができました。

さて、新しい学習指導要領では、教育現場においてもプログラミングが、各教科指導の際にICTが活用されることになります。
本日もプログラムの例が紹介されていましたが、算数の授業で公倍数という単元があります。
プログラミングを行い、3の倍数、5の倍数だけを表示することで、より深く学習できのではないかなど、検証が行われました。

もちろん、現役エンジニアの福野さんだからこそ、活用する方法が頭に浮かぶということもありますが、授業では教員のリテラシーに依存します。
そのため、教員の研修が不可欠になりますが、教えることができる人材も少なく、コストもかかることが予想されます。
本日の様子も録画をしていましたが、eラーニングやオンラインコミュニティでの情報共有など、普及活動もICTを活用することになるでしょう。

引き続き、トップランナーの鯖江市の動向にも注目していきます。

鯖江市のみなさま、そして本日のイベントや市役所担当職員の方をご紹介いただいた福野さん、本当にありがとうございました!

子どもたちが大人になる頃には、ICTを活用する仕事に就くことや、暮らしにもさらに溶け込んでいく可能性が高まります。
インドのインターナショナルスクールを視察させていただいた際にも、先進的な取り組みをご紹介しました。
グローバル化の時代、そのような教育を受けた人たちと同じ市場で仕事をすることになる可能性も高まりますが、日本の学校教育だけが昔のままで良いのかと考え直す必要があるでしょう

過去のブログもご参考に。

日本まずいぞ…インド系インターナショナルスクールで真の教育格差を目の当たりに

鯖江市は新宿区と比べて、街全体が子どもたちへのICTに関して応援をしている印象でした。
新宿区の小中学校出身の子どもたちが、ICTがわからない、あるいは怖いから触れたくないと避けてしまうことのないよう、大人が率先して上手に付き合う方向へ導けるよう、議会を通じて積極的に提言を行ってまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社