手話を認めることで、ろう重複者支援と地域における居場所づくりを

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日は、湘南新宿ラインで群馬県の高崎へ。
目的は、「ろう重複者支援を考えるシンポジウム」へ出席するためです。
撮影禁止だったため写真はありませんが、会場は満席になるほど多くの方々が集まっていました。

手話と聞くと、健常者の方でもジェスチャーのようなコミュニケーションのツールとして認識されている方も多いと思います。
実は日本手話は、文法は日本語と異なり、独立した言語であるという理解が深まってきました。
108もの自治体で手話言語条例が制定されていますが、高崎市でも手話言語条例が制定されており、今回のシンポジウムが行われることになりました。

さて、ろう重複者とは、聴覚障害に加え、知的障害や身体障害を重ね持つ方のことです。
特にろう重複の方は、知的障害をお持ちの方が多い傾向にあります。
聴覚障害がある場合、手話等のコミュニケーション手段が必要です。
聴覚障害に加え視覚障害をお持ちのいわゆる盲ろうの場合は、支援やコミュニケーションの方法として、手話の形を手で読み取る触手話等が用いられます。
障がいを横断する支援や、重複者だからこその支援が求められています。

シンポジウムの前半には、厚生労働省の秋山仁さん、ふれあいの里・どんぐり元施設長山口慎一さんによる講演が行われました。
厚生労働省による障害者保健福祉施策についてや、山口氏からは「ふれあいの里・どんぐり」を設立された経緯や地域の居場所づくりについてお話がありました。

パネルディスカッションでは、おなじみの金澤貴之群馬大学教授がファシリテータをされていました。
ふれあいの里・どんぐり元施設長山口慎一さん、群馬大学教育学部障害児教育講座准教授 木村素子准教授、大塚聾学校早期相談員木島照夫氏、双葉会診療所院長片倉和彦氏が登壇されました。
各パネリストから様々な発表がありましたが、ろう重複児の教育についてのお話が印象的でした。
教育に関するところでは、特別支援学校にいる3%の方はろう重複だと言われています。
特に知的障がいの学校にろう重複者が多く、情報保障が必要な子どもいるということを意味します。
知的障害特別支援学校では、教員が聴覚障害に関する専門的な知識を持っているわけではありません。
現場では、口話を中心に教育が行われる場合もあります。
しかし、重複児の中には口話よりも手話の方が取得しやすい方もいらっしゃいます。
ろう重複者のためにも教育のあり方を見直すことが求められていると同時に、卒業後も見据えて地域の居場所づくりが必要です。

手話言語条例を制定された地方議員や国会議員の方が来賓としてお見えになっていましたが、みなさま手話でご挨拶をされていて、とても熱心に取り組まれていることに驚きました。
私もこれまで議会外の活動で情報保障に取り組んだり、「こんにちは」「ありがとう」「拍手」など簡単な手話に触れる機会はこれまでありましたが、今後も各議会での取り組みを参考に、新宿区政でも積極的に取り組んでまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社