60歳以上銭湯無料で2億円。対象者は嬉しいけど財政的な負担は

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

ふれあい入浴について質問しました。

この事業は、健康増進と世代を超えた交流・ふれあいを図ることを目的としています。予算額は2億1656万円であり、大きな事業だと考えています。
今年度から精神障害3級と判定された方から、ふれあい入浴証を貰ったということで、TwitterのDMにてこのようなご意見をいただきました。

「受け取った時行政は何やってんだと思いました。入浴料470円×月4回×12ヶ月=22560円をポンと渡されたわけですから。銭湯に行ってみましたが、大概の人は誰とも会話していません。交流、ふれあいのために大変役立っているとは思えません。」
というご意見でした。

その方とは一度もお会いしたことがありませんが、ご指摘はごもっともだと思います。
福祉のための費用として適切だとは考えられません。健康増進は入浴に限定せず根本的な方法であるべきです。
公衆浴場の振興が目的であれば、福祉費にこれだけ大きな予算が計上されることは適切ではないと考えています。
最近は若い世代の間でサウナがブームになりつつあり、銭湯への注目も高まっています。
高齢者に偏重することなく、時代の変化に対応した経営改善も必要かもしれません。

また、高齢者の定義も60歳以上であることに疑問があります。
さらに他の高齢者関連事業と同様、財政的な問題に繋がることに加え、納税者に重い負担を強いることになります。

入浴は年齢で区別することなく自己負担が平等であり、私はこの事業は廃止すべきだと考えています。

伊藤 ここで4点質問があります。高齢者の定義は65歳であることが一般的にも関わらず、60歳を高齢者としているのはなぜでしょうか。
交流の様子は以前からもなかったように思います。コロナ禍で他人とお風呂で交流することを推奨しているようにも思われますが、どのようにお考えでしょうか。また交流の実態についてはどのようにお考えでしょうか。
健康増進にどの程度寄与しているのでしょうか。銭湯の振興を目的とする場合、福祉費で実施することは適切ではないと考えますがいかがでしょうか。
納税者負担や財政上の問題についてはどのように認識されているのでしょうか。今後見直す必要があると考えていますが、いかがでしょうか。

吉住区長 区は、高齢者の健康づくりや地域における交流を推進するために、地域交流館等の利用や、いきいきハイキングなどの事業について、60歳以上の方を対象としています。ふれあい入浴についても、対象者を60歳以上の方とすることで、より早い年齢から健康増進と交流・ふれあいを図る事業としています。
現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、各浴場においては入浴時の会話を控えるよう呼びかけていますが、ふれあい入浴は、高齢者が外出して近所の方と顔見知りになるきっかけにもなると考えています。
本事業は、身体障害者手帳をお持ちの方や、未就学児を扶養し、児童育成手当を受給している方も利用しており、公衆浴場の振興にも資することから、現時点では事業を見直すことは考えていません。

現役世代が負担をすることになりますが、健康増進にエビデンスがあるようには思えません。
予防的な医療に投資する方が効果があると考えています。

また、地域の交流についても銭湯で顔見知りになることよりも、別の方法が良いと考えています。

エビデンスがすべてではありませんが、納税者に負担を強いる以上、今後もこの問題を取り上げてまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社