地方議員と取締役の責任の違い

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨今では、取締役に対する責任追及についてニュースで見かけることがあります。

では地方議員の責任はどのように考えられているのでしょうか。これを理解するために、会社法の取締役と対比しながら整理してみたいと思います。

会社の取締役は株主総会で選任され、会社との間に委任契約を結んで職務を担います。そのため民法の規定が準用され、いわゆる善管注意義務を負うことになります。もし義務に違反すれば、会社に対して損害賠償責任を負い、株主代表訴訟を通じて法的に追及されることになるかもしれません。

一方、地方議会議員は住民の直接選挙によって選ばれる存在であり、会社の取締役のように委任契約を基礎とする関係ではなく、選挙によって付与される公法上のものです。そのため、法律上は善管注意義務のようなものが課されているわけではありません。

会社のガバナンスは株主の利益を守るために取締役に法的責任を課す仕組みを整えていますが、地方議員に対してはリコール等の政治的責任を問うことに重点が置かれています。
企業においても経営判断の原則がありますが、政治的な判断を法的に争うことにはさらなる難しさもありそうです。

取締役と議員はいずれも意思決定に携わる立場ですが、その責任の性質には明確な違いがあります。住民訴訟が注目される時代だからこそ、公共のガバナンスの仕組みと企業ガバナンスを比較し、それぞれの特性を理解することが大切だと感じています。

それでは本日はこの辺で。

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伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社