地方議会におけるアレオレ詐欺と実績PRのジレンマ

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日から第四回定例会が始まりました。
質問の様子はネット中継でご覧いただけます。

区議会のインターネット中継について:新宿区

午後になると思いますが、自分の出番もありますので頑張ります。

地方議会では、本会議で質問を行うことで政策を前進させることが大切です。
しかし、「アレオレ詐欺」と呼ばれる現象が問題視されることがあります。
これは議員が実際には大きな貢献をしていないにもかかわらず、政策を自分のものと主張する行為です。

実際には、議会が最終的な決定を行い、納税者の負担により執行部が実行します。
そのため、前提として特定の個人だけが実績を主張することまでは不自然です。
実績は複数人によるもので、議員の場合には議会での発言、議案への賛成、極端ですが黙って反対しなかった場合でも、その実績をゼロだと否定することまでは難しいと考えられます。

以上の理由から、原則として実績をPRすることは問題ないと考えています。
自分一人の実績ではないと考えて躊躇してしまうかもしれませんが、得票にもプラスになるため適切にPRすることは良いことだと思います。

街頭活動やインターネット等で
「あいつはアレオレ詐欺だ!」
と有権者から言われることもあるかもしれません。
この現象は、同じような実績を複数名が主張することで発生します。
この方は、支援する議員から自分の実績だと話を聞いた可能性が高いです。
そのため、自分の実績だと説明することで支援が得られる可能性は低いはずです。

よりわかりやすく政策の実現をPRするための裏技があります。
区の実行計画と一致する政策を掲げて質問を行えば高い確率で実現可能で、これを実績に加えることができます。

もちろん、実際に政策が実現するまでのプロセスや執行部に与えた影響の度合いは議員によって異なります。

また、PR戦略として実績を重視しない場合もあります。
党から怒られそうなので無所属以外は難しいと思いますが、私のように政策や実績を一切訴えず、消化力をPRすることに特化してカツの写真をアップし続けるだけで選挙に当選する方法もあります。
第三極ブームの風に乗っただけかもしれませんが、政策や実績だけが得票の要因ではありませんので、立場によってPR戦略を考えてみても良いと思います。

区民のみなさまからは時に大きな成果を求められることもありますし、ご期待をいただくことはとても大切です。
しかし、新規事業など税金の使用が議員の主要な実績と考えられている場合、ご要望を実現し続けることで、財政など別の問題を引き起こすことにつながる可能性があります。

次回立候補の予定がないため、選挙のジレンマを気にせず、引き続きカツを食べ続けることに集中します。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社