東京オリンピック・パラリンピックに向け自治体WiFi拡大中。行政サービスとして活用するバルセロナ市もお手本に。

以前Shinjuku Free Wi-Fiについてご紹介させていただきました。

新宿区無料公衆無線LAN「Shinjuku Free Wi-Fi」接続方法など

新宿区に限らず、外国人観光客の増加や2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、
自治体では無料WiFiの導入が議論されてきました。

その背景には、国として無料WiFiの導入を促進したいという考えがあります。

2014年12月26日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中には、
「地域産業の競争力の強化」、「ICT等の利活用による地域の活性化」という項目があり、
Wifi、高速モバイル、ブロードバンドなど地域の放送・通信環境の整備が求められています。
また、総務省の進める観光・防災Wifiステーション整備事業において
「観光拠点及び防災拠点における公衆無線LAN環境の整備を行う地方自治体等に対し、
その事業費の一部を補助する。」
と記されていることから、自治体への無料WiFiを導入は促進される見通しです。

補助金を活用しインフラを設置するだけではなく、
多くの自治体で「どのように行政サービスへ活用するか」を考えなければなりません。

WiFiの先進的な活用事例として、スペインのバルセロナ市の例をご紹介します。

バルセロナ市では、インターネットのアクセススポットを提供することはもちろん、
交通量に応じてWiFiでそのスポットの明るさを調整し省エネに貢献するスマートライティング、
ゴミ収集箱の満杯や空き状況をセンサーがWifi経由で提供するスマートゴミ収集管理、
駐車場の空き情報をWiFi経由で配信することで、市の駐車場収入を向上させるスマートパーキング
などの事業に取り組んでいます。

東京オリンピック・パラリンピックを想定した、
観光客への対応を目的とするだけではなく、整備したインフラを活用することで、
行政サービスの効率化まで見据えた企画が必要です。

補助金の性質上、議論が後回しになりがちですが、
新宿区にはこの辺りまで踏み込んだ議論をお願いできればと思います。

一方で、セキュリティ的な観点から課題があることも指摘されています。

京都市の公衆WiFi「危険」 府警「犯罪インフラに」警告

アカウント認証や暗号化に関する議論や、
リスクに関する周知など、まだ多くの課題を抱えています。
新宿区へ進捗を確認し対話をしながら、
コスト、安全性、利便性などのそれぞれの観点で議論し、
落とし所を見つけていく必要があると考えています。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社