本日はこども@ホーム推進委員会として、
「東京都児童養護政策の変遷と課題」勉強会を開催しました。
本日ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
勉強会で扱った内容の前提知識となる
社会的用語に関する基礎知識や愛知方式に関しても、
こども@ホーム推進委員会ホームページからご確認いただけます。
本日の勉強会の中で、私が特に気になったのが、
上田都議が調査されたこちらの資料です。
一般生活費(子どもの生活にかかる経費)は、
施設で育てる場合でも里親に引き取られる場合でも
一律95万7,000円(年間)とされています。
年間予算における子ども1人あたりの一般生活費の割合を比較してみます。
養育家庭(里親)の場合は、
子ども1人当たりの年間予算が182万円、
そのうち生活費以外は86万円で、
年間予算に対して生活費の割合は52.6%という結果になっています。
一方で、乳児院で育てる場合、
子ども1人当たり年間予算が681万円円、
生活費以外の予算が586万円、
年間予算に対する生活費の割合は14.0%となっています。
養育家庭(里親)の場合と、乳児院で育てる場合とでは、
生活費以外の経費に大きな差があります。
次に、こちらのスライドをご覧ください。
乳児院、児童養護施設、GH(グループホーム)で子どもを育てるには、
一人あたりおよそ1億2,000万円の費用がかかります。
一方で養子縁組里親の場合は、
里親手当が無く一般生活費のみが必要であるため、
96万円しか経費がかかっていません。
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ここで、 私たちが考えなければいけないことは、
果たして経費をかけて育てた子どもの方が本当に幸せなのかということです。
本日の講義にもありましたが、
施設で育った子どもの中には自立できず、
そのまま生活保護を受け更に税を投入する必要が出るケースもあるということです。
一方、特別養子縁組の場合では、不調になった子どもは見ていないとのことです。
予算の現状を見ても施設の子どもに比べて、
里親の子どもは経費をもらえていないという状態です。
これから施設で子どもを育てる環境から脱却し、
「原則里親」を推進するために、
必要な予算を計上していくことが大切です。
「すべての子どもに、温かい家庭を。」
こども@ホームのテーマでもあるこの言葉を胸に、
子どもたちのために何が必要か今後とも考えていければと思います。
それでは本日はこの辺で。