目標低すぎ?日本の3Dプリンタ政策の課題

3d昨年からイベントやメディア運営などで活動している3Dプリンタ関連のスタートアップとしてのテーマ。

おそらく多少触れたことがある方なら誰もが抱いている印象として日本はかなりを遅れをとっていると感じていると思います。

日本で産学官の3Dプリンター開発が始動、各国比較に見る戦略性不在

特に、性能面の目標で比較すると

日本
それでは次に、各国が進める3Dプリンターの開発状況を見てみよう。日本が今回のプロジェクトで開発をもくろむ3Dプリンターは従来の10倍の速度を持つ金属製の3Dプリンターとのことだが、各国の開発はどのような状況なのだろうか。3Dプリンターにとって造形スピードは早急の課題であるため、各国の研究機関もスピード向上に目下注力している状況だ。

アメリカ
以前もご紹介したが、アメリカは既に従来の500倍のスピードで、10倍の大きさまで造形可能な3Dプリンターの開発に着手している。70年の歴史を持つオークリッジ国立研究所が中心となり行っているもので、既にプロトタイプの開発に入っている状況だ。

イギリス
イギリスの研究機関も既に新たな次世代型の3Dプリンターの開発に着手中だ。イギリスの場合はわずか1秒で、親指程度の大きさの物体が作れる3Dプリンターを開発しようとしている。金属粉末の高速焼結が可能な3Dプリンターの開発だ。現在のデスクトップタイプの1800分の1のスピードになるという。

どのような条件で何倍、何秒かにもよりますが、
記事にもあるように間違いなく競争性は生まれないでしょう

製造業が各国の台頭でこれだけ厳しい状況で、
しかも既に遅れを取っている3Dプリンタ分野で技術力で他国を上回るというのはかなり厳しいと思います。

ターゲティングポリシーとして、予算を投下することが決まっているので今後もチェックをしてみたいと思います。。

この3産学官連携の3Dプリンタープロジェクトは、「次世代3D積層造形技術総合開発機構」といわれ、2019年度までに、金属パーツを製造できる高性能3Dプリンターを開発するというものだ。来年2015年には試作機、2019年には販売を目指すという。

研究機関からの参加は、東北大・近畿大、また、日本で最高技術を結集する産総研などが参加し、民間企業からは三菱重工、日産、パナソニック、川崎重工、コマツなどが27社の企業が参画する。資金は経済産業省から38億円の予算が投下されるとのことで、同時に加盟企業は1社あたり年50万円を払うという構成だ。

3Dプリンタ政策ではコンテンツ大国の強みを活かすルートもある

3Dプリンタというと、製造、医療関係の一部だとイメージをしてしまいがちですが、それでは非常にグローバル下での競争の厳しいところへ飛び込むことになり厳しい戦いを強いられることになります。

グローバルで戦える日本の強みとはいったいなんだろうか?

私は国境を超えてデジタルでモノのやり取りができるようになったのでコンテンツ分野で勝負をすることが重要だと考えています。

コンテンツ大国としての利益を活かす、メディアの運営などエンターテイメントとしての活用を考え、真っ向からの技術勝負以外のところに注力するのが良いと思います。

そのためには、まだ整備が不十分なライセンスに関する法や、ライセンス関連事業の促進が必要です。

また、女性の利用者が4%しかいないということで、
彼女らの参入によって雑貨、ファッション、グルメなど新たな利用方法が流行するでしょう。

今度はきちっと3D Magazineから!

ユーザーについて、女性が4%という結果はさみしいですね。
私自身も、女性で3Dプリンタを所有しているユーザーですが、
確かに女性で3Dプリンタを持っている人に出会うことはなかなか無いです。
全体の65%が家庭で使うものをプリントしているという調査結果もありますし、
今後いかに女性が3Dプリンタに興味を持って使っていくようになるかも
普及への1つの鍵になるのではないでしょうか。

結果としてメディアや、サービス分野が伸びれば将来の見通しも立つと思います。

世界的にもコンテンツはまだまだ不十分だし、日本のクリエイティブな女子たちに3Dプリンタを使ってこれまで無いサービスを作ってくれ的な政策にすればきっと最速で世界トップに出るはずです。

ハードをつくるにしても、海外のコピーではなく、

「外装がキラキラのデコプリンタ!」

みたいな独創性を発揮すれば日本は負けない気がするのですが。

3Dプリンタという言葉を捨てることからはじめ、新たな利用方法を模索する、

そのためにはより多くのユーザーの利用や意見を集約する流れが必要不可欠です。

そして、市場が育ったときのためにオバマ大統領の政策のように日本でも学校で3Dプリンタの導入を促進し市場を活発にすべきです。

中学生のころに技術家庭という授業がありました。
もちろん重要ではありますが伝統的な工作のニーズは減り、実際に役に立つのは情報処理くらいのものでした。
(もちろん、はんだ付けなどの経験は実際に使ってはいませんが財産にはなっています)

時代に即したカリキュラムへの対応をすることで、いまの高校生ではサイトやアプリを作るのが限界ですが、

学校でそういったきっかけを提供することで、小学生の中からもロボットなどハードを生み出す若者が誕生するでしょう。

そんな多くの可能性を秘めた3Dプリンタの議論が活発化していくことを楽しみに頑張っていきたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社