文教子ども家庭常任委員会で、
スマホアプリ「しんじゅく子育て応援ナビ」の配信について発表されました。
委員会で質疑をさせていただいた内容をもとに、
新宿区でのiOS、Androidアプリ開発の事例を一つご紹介します。
まず、アプリの開発予算は243万円。
ただし、以前に開発をしていた「バリアフリーマップ」の改修開発のような形で、
「安く」抑えられたとのことです。
(また別の機会にお話しすることになると思いますが、
区の公式ホームページのコストははるかに高額です。)
ちなみに、アプリのランニングコストは年間30万円です。
民間との最大の違いは、
数字を追いかけていないことです。
もとは「バリアフリーマップ」として公開され、
今回の改修(アップデート)で「しんじゅく子育て応援ナビ」となったこのアプリですが、
累計ダウンロード数は約2,500だそうです。
しかし、現在のアクティブユーザーは把握していないとのこと。
恐らく非常に少ない数値が出るのではないかと思います。
他にも、実際にアプリをダウンロードして利用してみたところ、
ボタンを押しても反応しないエラーがあったり、
イベント情報も6月から更新されていないという状況でしたが、
これらの問題はユーザー数が少なすぎて声を集められないことに起因しているのではないでしょうか。
今後もユーザーの声を拾い、
どのようなコンテンツにアクセスが集まったかを把握しない限り、
そもそもそのアプリを開発することが正しかったのかもわかりません。
税金で開発している以上は、導入するだけでなく、
1クリックいくらになっているのか、
費用対効果を検証することも大切です。
十分にマーケティングができていない状況では、
「紙媒体の方が効率もよく安くすんでいたかも」
という見解になってしまうかもしれません。
行政サービスをアプリ化するの最大のメリットは
見えない部分の「数字」が明らかになり改善の効率化をはかれることです。
そのためには、民間のように、PDCAサイクルを構築し、徹底した数字での議論が必要です。
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誰もがPCやスマホで情報を得る時代となりました。
区役所の窓口業務は評価の対象になりやすいですが、
同じくらいWeb上における対応も徹底した評価を行わなければなりません。
これらのスキルは行政職員がすぐに習得できる物ではありません。
Webマーケティングを担当する職員や外部パートナーが必要不可欠になります。
デジタルネイティブ世代として、
Webサイト、アプリに関しては目を光らせて、
問題を指摘させていただければと思います。
それでは、本日はこの辺で。