視覚障害者も読書を。これからも戸山図書館ブランドの音訳は全国へ

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

今週の水曜日に、文教子ども家庭委員会で図書館に関する視察を行いました。

まずは、新宿区立中央図書館へ。
私は前期も文教子ども委員会だったので、二度目の視察です。
中央図書館長は、今年で退職されます。
よくICT化と図書館についての議論をさせていただきましたが、真剣にご答弁をいただきました。
熱心な図書館長で、着任後に23区で唯一司書資格をお取りになられたそうです。
なんと自費で通信教育で資格を取得されたとのことでした。
文教子ども家庭委員会に所属後、教員免許の取得を目指した私とも状況が似ていて共感しました。

その後は、戸山図書館の視察も行いました。
戸山図書館の特徴は、バリアフリーに力を入れていることです。
例えば、視覚障害者の方にとっては、活字の本を読むことが困難です。
以前もブログでご紹介させていただいた音声デイジーと呼ばれる録音図書がありますが、録音図書は限られているため、ニーズにこたえられない場合もあります。
戸山図書館には録音室があり、その場で録音図書をつくることができます。
そして、多くのボランティアが音訳を担っています。
戸山図書館では、3ヶ月程度で音訳ができるそうです。
又吉直樹さんの「火花」など話題の書籍が音訳されていました。

戸山図書館で作られた録音図書は、こちらだけで利用されるわけではありません。
国会図書館を通じて、全国の視覚障害者がインターネットで戸山図書館が作成した録音図書へアクセスすることができるようになります。
他にも、視聴覚資料に点字がついていたり、日本語字幕や音声ガイドをつけたバリアフリー映画などのイベントが行われているなど、大変先進的な図書館でした。

テレビなどでも、コンピュータによる音声読み上げなどが利用されるようになってきました。
また、Kindleでも音声読み上げ機能が搭載されています。
音訳図書を作成するには、録音設備を揃えることが不可欠でしたが、テクノロジーによりハードルが下がることになるでしょう。
もちろん、ただ電子書籍を機械が音読するだけでは不十分です。
視覚障害者が情報を取得しやすい工夫も必要となります。
全国的に「戸山図書館ブランド」が認知されるほど、多くの録音図書を届けられてきました。
これからはすべての視覚障害者のために蓄積されたノウハウを全国へと広げていくことも大切になってくるでしょう。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社