こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
選挙戦も6日目となりました。
本日は、選挙において重要な「政策」についてお伝します。
特定の政党を支持していない場合、政策をみて投票先を決められる方もいらっしゃると思います。
私のところにも、
「新宿区長選挙の争点は何ですか?」
というご質問がいくつか届いています。
結論を申し上げると、争点は区民一人ひとりによって異なるものだと考えております。
例えば、今年の中野区長選挙のように「中野サンプラザ」など大きな争点になるものがあれば、選挙も盛り上がるかもしれません。
しかし、特定の案件にだけ注目が集まりすぎることも、問題だと考えています。
新宿区には2,000億円以上もの莫大な予算がありますが、自治体の長としての経営能力を問うことを忘れてはいけません。
財政などマクロな自治体経営と個別施策のミクロと双方から争点を見出して、投票行動に繋げていただければと思います。
しかし、いきなりお考えいただくのも難しいかもしれません。
これまでの取材を振り返りながら、議会での私のスタンスもお伝えした上で、政策についてお伝えいたします。
小・中学校体育館の空調設備は、どちらの候補も訴えている
新宿区議会でも議論が行われた小・中学校体育館の空調設備については、どちらの候補も訴えられていました。
吉住候補 一つは、区議会の多くの会派から、小中学校の体育館・武道館に空調設備が必要だと提言がありました。どのくらい経費がかかるのか、既存の建物にどうすれば設置をできるのか、調査をはじめました。災害時にも必ず必要となりますので、空調設備の設置を進めてまいります。
のざわ候補 来年の夏までに区立小中学校すべてにエアコンを設置します。
数年かかる事業であり、25億〜30億の予算が発生すると試算をされています。
さらに、空調設備は、建物の構造によっても設置が難しい場合があります。
現場と調整をされた結果として期間をお示しされています。
のざわ候補は来年の設置を目指されています。
早期に実現するためにも、予算や人員等を空調に割くことを前提になります。
新聞等で報じられた、特殊詐欺対策と公園デモ使用規制
以前もブログでご紹介させていただきましたが、特殊詐欺対策と公園デモ使用規制は、争点の一つだと考えております。
この案件を取り上げた理由は、東京新聞等のメディアでも報じられた問題ということもありますが、私自身も吉住区長の議会答弁に納得をしていないないためでもあります。
吉住区政の失政として追及できれば、野党共闘に拍車をかけることにもつながります。
のざわ候補 自由と多様性と文化を大切にする新宿区を取り戻したいです。前回の区長は、65歳以上の方の名簿を、52%が拒否をしたにもかかわらず警察に提供してしまいました。私が区長になりましたら、ただちに中止します。新宿区民のプライバシーを大切にする新宿区政を取り戻します。
そして、区立公園のデモ使用規制問題、第二弁護士会の会長が憲法21条違反という声明を出したにもかかわらず、8月1日に強行しました。規制すべきはデモではなく、ヘイトスピーチだと考えます。私が区長になりましたら、白紙撤回いたします。もっと自由に表現できる新宿を取り戻します。
長くなってしまうため、今回ご説明させていただく案件は、公園を出発地とするデモの問題のみとさせていただきます。
私も表現の自由については、漫画・アニメ・ゲームの問題から取り組んでまいりました。
今回のデモに関しても、表現の自由に関わる重要な案件であり、吉住区長の進め方には問題があったと考えています。
ただし、私は住環境維持との両立を最優先にすることは大前提だと考え、隣接する住民へのアンケート調査を行なって地域で決めることを提案してきました。
表現の自由や憲法21条の問題を前面に出してしまうと、デモの参加者やデモに理解のある区民以外には伝わらないと考えています。
新宿区の積立金は469億円。財政は潤沢か
最後に、目立った争点よりも影響を与えるのが、自治体経営に関する考え方です。
マクロな争点の一つである、財政についても考えてみます。
のざわ候補 今のアベノミクスで、一部の方が大変儲けています。ただ、庶民の方は大変苦しいです。この新宿区には非常に豊かな財政があります。積立金は469億円あります。その豊な区財政の使い方を変えましたら、新宿区にお住いのみなさま一人残らず、明日の生活に安心し、将来に希望がもてる新宿区を必ず実現できます。
一方で、吉住候補は、以下のような発言をされています。
吉住候補 4年間で工夫をしながら120億円の貯金ができました。しかし、私が着任する前の時代にリーマンショックが発生し、税収が上がらず、区民生活を守るためにやむを得ず貯金を5年間で260億円失っています。まだ120億しか取り戻せていません。以前の水準に戻っていませんので、今無駄なお金は使えません。必要な経費であっても、出費を少なくする経営感覚が必要になってまいります。今後も区民のみなさまからお預かりした税金を、きちんと管理しながらお役に立てるよう、優先順位をつけながら使わせていただきます。
積立金を取り崩すという議論が行われています。
いくら取り崩すのか具体的な金額が示されていませんが、福祉の充実にはつながるでしょう。
私も、経営上無理のない範囲で必要な福祉を届けることには賛成です。
一方で、ご承知の通り積立金は天から降ってきたものではありません。
この5年間で260億円を失い120億円積み立ててきたものです。
また積立金を取り崩し、行なった事業については、今後も財政的な影響を与えます。
早大教授による動画のようなご意見もありますが、都市部特有の行政需要が存在することから、全国的な基準で考えることに意味はなく、自治体経営は新宿区民の責任で決めるべきことだと考えております。
積立金を取り崩した後の財政が不透明さは払拭されていません。
予算を増やしてしまうこと自体が、将来の負担につながると考えているため、私は未来の納税者の立場も考量して、丁寧に議論して決めるべきことだと考えております。
#新宿区長選 で #のざわ哲夫 候補が、給付型奨学金だとか保険料負担の減額だとかバラ色の政策ばかり語るので、そんなこと財政的に可能なのか早大教授にきいてみたpart 1
小原隆治教授(行政学、地方自治) pic.twitter.com/ra0fJhKbjJ
— 未来のための公共 (@public4f) 2018年11月8日
#新宿区長選 で #のざわ哲夫 候補が、給付型奨学金だとか保険料負担の減額だとかバラ色の政策ばかり語るので、そんなこと財政的に可能なのか早大教授にきいてみたpart 2
小原隆治教授(行政学)
「新宿の財政は全国有数の強さ。自治体の判断で何に使ってもいい財源の比率が、全国平均よりもかなり多い」 pic.twitter.com/pCxSCCQ3mg— 未来のための公共 (@public4f) 2018年11月8日
小原隆治・早大教授(行政学)
「新宿区に限らず東京23区は全国有数の財政力がある。」#新宿区長選 で #のざわ哲夫 候補が、給付型奨学金だとか保険料負担の減額だとかバラ色の政策ばかり語るので、そんなこと財政的に可能なのか早大教授にきいてみたpart 3 pic.twitter.com/qj9ymV19mk
— 未来のための公共 (@public4f) 2018年11月9日
小原隆治教授(行政学)
「新宿区には他の基金より柔軟に使える財政調整基金が270億円ある。やろうと思えば色々なことができる」#新宿区長選 で #のざわ哲夫 候補が、給付型奨学金だとか保険料負担の減額だとかバラ色の政策ばかり語るので、そんなこと財政的に可能なのか早大教授にきいてみたpart 4 pic.twitter.com/ZmtCAOXsvi— 未来のための公共 (@public4f) 2018年11月9日
政策の背後にある民意
そして、候補者の政策やスタンスには見覚えがありました。
実は、過去に新宿区議会でも似たような論戦が行われていたためであり、背後には民意があります。
各候補者は、支援を行なっている区議会議員(会派・政党)や区民のみなさまからの民意の影響を受け、政策を決定されます。
吉住候補は自公推薦です。
のざわ候補は、野党6党支持の中でも特に日本共産党新宿区議団さんの政策が強く反映されているように感じます。
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今回ご紹介させていただいた争点はごく一部であり、他にも書ききれないほどの課題があります。
例えば、子育てや性的マイノリティについて候補者に質問をされている団体もありました。
お時間がある方は、東京青年会議所新宿区委員会の動画で、テーマごとの政策の違いをご理解いただければと思います。
最後になりますが、政治とは万能なものではありません。
どちらの候補にも一長一短あり、みなさまお一人おひとりのお考えは異なるものです。
私の解説が少しでも参考になれば幸いですが、ぜひご自身でご判断をいただければと思います。
それでは本日はこの辺で。