給食牛乳異臭等について、「風味の違いで問題なし!」で終わらないように

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨日の文教子ども家庭員会では、学校給食牛乳の異臭等について議論が行われました。

簡単に概要をご説明させていただきます。

学校給食で提供した牛乳の異臭等について:新宿区

9月25日(月) の給食で出された牛乳について、小学校で1061人、中学校で240人が異味、異臭等を感じたことが問題となりました。
当時は株式会社明治戸田工場製の牛乳でしたが、問題が発覚してから神奈川工場製へと変更が行われています。

幸いなことに健康被害もありませんし、理化学検査や微生物検査でも異常は認められていません。

とは言え、今後も同じような問題が起こる可能性はありますし、心理的に子どもたちに大きな影響を与えたことからも、全会派からも厳しい質疑が行われました。

まず、工場では人の舌により質のチェックが行われています。

健康被害が出ていないからとは言え、
「そもそも味に問題があるものを提供したこと自体にも問題がある。チェックを行う人に問題はなかったのか。」
と別の委員からもご指摘がありました。

また、味を平準化するために牛乳がブレンドされていますが、その過程で問題があった可能性もあります。
情報公開について教育委員会から業者へ求めていまふが、
「プライバシーの関係で明らかにできない。」
の一点張りで、真相はわかりません。
今のまでは、根本的な問題解決にはつながりません。

そして、業者側の説明で最も納得できないのは、「異味、異臭」を訴える子どもたちがいても、あくまで味覚が敏感な子どもたちが「風味の違い」を感じ取ったことになっています。
何も問題がないことが強調されていますが、明らかに普段とは異なる牛乳が供給されていた状況で、この結論はありえません。

ここで、私の質疑についてもご報告させていただきます。
実は今年6月に茨城県でも類似した問題が発生しています。

学校給食の牛乳で370人体調不良茨城県、異臭訴え:日本経済新聞

今回の業者に関わらず、同じ問題が発生する可能性があります。
そして、茨城県の事例でも「風味の違い」ということで、問題がうやむやになってしまったのです。

新宿区では、戸田工場から神奈川工場へ変更し、現在問題は起こっていません。
しかし、業者や工場を変えたとしても、今後も同様の問題が発生して、「風味の違い」以上の説明が得られないとしたらどうでしょうか。
また、業者を変更しなければなりませんし、永遠にこの問題は解決しません。

今後、仮に同じような問題が発生した際にどのような対応をとっていただくのかについても、ご説明いただくことが必要です。
問題を100%防ぐことはできません。
一方で問題が起きた後の対応を改善することや、同じことを繰り返さないように対策が取れる可能性はあります。
類似した問題が発生した際に、風味の違い以上に原因が特定できるよう情報公開の姿勢を問うべきです。

牛乳については、東京都による入札が行われるため、新宿区が直接関わることはできません。
都に対して新たな企業が情報公開や説明責任を果たせるよう働きかけることを、要望をさせていただきました。

今回の一件で牛乳に抵抗を持ってしまう児童生徒もいたようです。
しかし、教員の努力により、元の状態に戻りつつあると伺っておりますが、ありがたいことです。
引き続き安全・安心な学校給食が提供されるように、文教子ども家庭委員会を通じて提言を行ってまいります。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社