区民参加型の新宿区行政評価はすごいけど、若い世代も加わり区政を動かせるようさらなる進化を

こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

本日は自治・議会・行財政改革等特別委員会でした。
平成28年度の行政評価が議題です。

詳しい資料はこちらから。

行政評価:新宿区

外部評価に関する資料は、12月25日に公開される予定です。

新宿区の行政評価について、簡単にご説明させていただきます。
まずは、行政で取り組む内部評価が行われ、その後、客観性や透明性を高めるために区民の視点から外部評価が実施されます。
新宿区のように2回も評価を行うこと自体が珍しいようで、この点は大変素晴らしいと感じています。

内部評価は絶対に必要です。
これが無ければ、事業がやりっ放しになってしまうからです。
一方で、外部評価の役割については意見が分かれるところです。
新宿区では内部評価の結果を参考に、外部評価が行われています。
何も資料がない状態で区民が評価を行うのは大変です。
そのため、参考資料として内部評価の資料を活用するということになっています。

外部評価の一例をご紹介させていただきます。
区内商店会員向けに「新宿商人」という情報誌が発行されていることについて、評価が行われていました。

新宿区商店会情報誌「新宿商人」:新宿区

内部評価では、
「商店会活動の取り組みを共有することは効果的と評価します。」
という結果でした。
一方で外部評価では、
「事業継承など商店会の抱える課題に対して特効薬になるとは思えない。」
など、より区民目線で現実的な評価が行われています。
これはどちらかと言えば、事業仕分け的な発想に近いご意見かと思います。
どうしても行政のみで評価すると甘くなってしまいがちなので、こうしたご意見は大変貴重です。

本日出席していた委員の中からは、外部評価は内部評価を再評価することが前提であり重要だ、というご意見もありました。
内部評価も重要で、ご指摘の意図も理解しています。
一方で、条例等で内部評価を再評価するために外部評価が存在すると制度上決まっているわけではありません。
せっかく区民の方が外部評価で議論に加わっているのであれば、より自由に議論をしていただきたいと考えています。
現在は、内部評価の結果を元に議論するため、どうしても外部評価の内容もそこに引きづられてしまうかもしれません。
外部評価の議論の過程で、行政評価とはまた違う、政策提言や事業仕分け的な意見も出てくるでしょう。
脱線しすぎないように部会長が会議を運営することが必要ですが、自由な議論で出たご意見を活用することは内部評価を分析する際にも有効です。

また、有識者の構成についても問題提起をさせていただきました。
各分野、子育てや福祉、地域コミュニティ等の有識者が部会長をつとめられています。
もちろん専門的な知見をお持ちだとは思いますが、行政評価ということであれば、行財政改革に強い有識者の方こそ必要です。
予算特別委員会で議論をさせていただいたように、今後は公会計を活用した行政評価が行われることになる見通しです。
新たな流れも踏まえて、より効果的な行政評価について、再度検討が必要になるでしょう。

本日は高校生インターンが傍聴にきていたこともあり、若い世代が公募委員になれる可能性についても質疑をさせていただきました。
これまでも、託児支援などを整備することで子育て中の区民が委員になるなど、大きな改善が行われました。
次回の募集では、対象を18歳以上とする予定とのことです。
選挙権年齢などを考慮すると、一定の合理性があります。
その上で、開催時間を夕方以降にすることも含めて、ご検討いただけないか要望させていただき、前向きなご答弁をいただくことができました。
学生の意見も大切ですし、何よりも納税者である現役世代こそ区政に参加して考えを述べる機会を増やしたいです。

私が質疑した際は終了数分前だったので細かな話はできませんでしたが、募集の段階から若い世代もウェルカムであることを周知いただけるよう、別の機会に改めて要望をさせていただこうと考えています。

また、高校生など18歳未満が区政に参加する場が限られてしまうため、若者会議の対象として新たに加えることで、彼らの意見に耳を傾けることが大切だと考えています。

早いもので、本日が今年最後の委員会でした。
自治・議会・行財政改革等特別委員会では、各委員の鋭い発言は大変勉強になりました。
そして、議会改革について、党派を超えて公式の場で真剣な議員間討議が活発に行われていた点も、大変素晴らしいと感じています。
あと1年と少ししかありませんが、任期中に一つでも多くの改革を進めて、次へつなげていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社