これからの行政や議会に、データサイエンスが必要

少し前に、データサイエンスの講座を受講しました。
データサイエンスとは、簡単に言うと、膨大なデータを構造化し、解析をしていくことです。

この分野では、人工知能の分野でも注目をされている、機械学習と呼ばれる技術があります。
人間のような学習能力をコンピュータで実現する技術が注目を集めていたことから、私も興味を持ちました。

R言語という無料で使えるプログラミング言語を用いて学習しましたが、誰でも無料でツールにアクセスできる良い時代になったなと思います。
これからは、人工知能を用いたデータ分析はさらに注目されてくるのではないかと思います。

新宿区にも「新宿自治創造研究所」という政策シンクタンクがあります。
調査研究の能力を有した人物を採用していますが、ICTの専門家がいるわけではありません。

人工知能とIoTでまちづくり。シティアナリティクスが公務員や議員より働く未来へ

今後、ビッグデータ、IoT、人工知能などを活用した政策立案が行われることを見越して、ICTの専門家を入れて政策立案過程で関与させるべきです。

また、インターネットを通じて国内外でも様々な統計や論文をダウンロードすることができます。
どのように情報を得るのかに関しても、理解が必要です。

これまでも、新宿自治創造研究所では、国勢調査などのオープンデータの活用など調査分析を行ってきましたが、調査の方法やデータの扱い方などは一般の職員へ共有していくべきでしょう。

人工知能が行政の現場に導入できる未来もそんなに遠くはありません。
今から、「新宿自治創造研究所」に限らず、全庁的にICTで調査研究ができる体制を構築していくべきです。

そして、今回の議会でも質問を予定していますが、学力の向上を目指すのであればICTを活用が必要です。
全国学力テスト1位の秋田県。大仙市教育研究所から最適化した教育を提供

新宿区では大仙市のような教育シンクタンクが存在しないため、教育に関しては各学校ごとの裁量で調査研究を行われています。
教育こそICTの力で対応すべき分野であり、子どもが学校で勉強する時間を有効なものにするために、ICTによる研究は不可欠です。

単に要望を届けているだけでは不要な事業が増えていき、将来世代への負担は増大する一方。
そこで、データに基づいた判断が必要です。

内容が良いか悪いかは別として、行政職員は比較的根拠に基づいた議論をしていると思っています。
本当に調査研究スキルが必要になるのは、その行政と議論をしなければならない地方議員だと思います。

よく「専門家の〜先生がおっしゃっていた」という話がありますが、そうした話は単なるポジショントークでしかないことが多いものです。
私自身も注意しなければなりませんが、要望が無限にある中で予算や税負担の実態や住民の利益を分析し、最良の選択をしながらも、将来世代へツケをまわさないために予算の圧縮をしていかなければいけません。

これからは闇雲に人件費へ投資するのではなく、効率的なシステムに投資をする時代がやってきます。
行政も議会もICT化が進んできますが、基礎的な能力を高められるように日々新しいことを学びます。

それでは本日はこの辺で。

ABOUTこの記事をかいた人

伊藤 陽平

新宿区議会議員(無所属) / 1987年生まれ / 早稲田大学招聘研究員 / グリーンバード新宿チームリーダー / Code for Shinjuku代表 / JPYC株式会社