こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
再犯防止・犯罪者等支援について質問しました。
犯者率は上昇傾向にあり、令和2年は49.1%と約半数です。国では、2016年に再犯防止推進法が制定されました。
地域生活の支援や学校等との連携など、基礎自治体の役割が極めて重要になります。
早稲田大学広域BBS会が新宿区を拠点に活動されていることは大きな強みです。
BBSとはBig Brothers and Sisters Movementの頭文字で、この組織は非行などの様々な課題を抱える少年少女等への支援を行っています。
BBS会や保護司会との連携が大切です。
また、新宿区社会を明るくする運動には多くの団体が参加されています。
団体と連携して更生保護で地域を盛り上げる活動を続けることも有効です。
基礎自治体において再犯防止推進計画の策定は努力義務です。
しかし、地域の課題として理解を広めることが重要であり、地域から更生保護を支援し、安全・安心なまちづくりを推進するために、計画の策定が必要だと考えます。
また、どれだけ注意していたとしても、犯罪の被害にあう可能性は誰にでもあります。
そのセーフティネットとして犯罪被害者等支援が求められています。
国、都道府県も取り組んでいますが、役割分担をして基礎自治体が取り組むべきこともあります。
他の基礎自治体では、各種支援や条例制定が進んでいます。
明石市が全国で初めて導入した立替支援金制度は被害者の支援に有効です。
また、生活の支援など基礎自治体ならではの支援を行うことも大切です。
都でも支援はありますが、その窓口を紹介するだけでは不十分です。都と区で役割分担も必要です。
明石市や中野区など当事者の声で条例化されることもありますが、それでは遅いです。
実効性のある支援を行い、区民の理解を広げるためにも条例が必要です。
以下、質問と答弁です。
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伊藤 再犯防止に関してこれまで行ってきた取り組み、また今後新宿区で行うべきだと考える取り組みがあれば教えてください。
BBS会、保護司会、新宿区社会を明るくする運動の参加団体、その他民間と連携した支援や啓発に継続して取り組むことが必要だと考えていますが、いかがでしょうか。
再犯防止推進計画を策定することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
新宿区として犯罪被害者等支援についてどのように取り組まれていますか。
基礎自治体として生活支援や立替支援金制度など犯罪被害者等支援に取り組むお考えはありますか。
犯罪被害者等支援条例の制定が必要だと考えていますが、いかがでしょうか。
吉住区長 区では、現在、更生保護・犯罪予防活動の重要な担い手である新宿区保護司会が行う青少年の健全育成及び社会環境の改善活動を推進するための事業に補助金を交付し、支援を行なっています。また、新宿区更生保護女性会の活動に対しても支援しています。
法務省が主唱する、犯罪や非行のない明るい社会を築くための「社会を明るくする運動」には、保護司会や更生保護女性会、地区青少年育成委員会、早稲田大学広域BBS会など、区内の多くの関係団体が参加されていますが、区も構成員の一員として、運動を推進しています。今後も、こうした取組みを引き続き進めてまいります。
区における再犯防止推進計画については、就労・住居の確保や保健医療・福祉サービスの利用促進、非行の防止・学校と連携した就学支援、罪を犯した者の特性に応じた効果的な指導・支援など多方面にわたる課題があることから、国や都の計画内容や、他区の取り組み状況を踏まえ、これからの課題を引き続き整理してまいります。
次に、犯罪被害者等支援についてのお尋ねです。
区は、犯罪被害者が利用できる相談窓口や支援制度をまとめた区独自の案内資料を作成し、区ホームページで公開するほか、警視庁や東京都、支援機関が作成したパンフレットを窓口で配布しています。また、都の被害者支援連携担当や公益社団法人被害者支援都民センターなどの専門機関と定期的に情報交換を行い、連携強化を図っています。さらに、区内4警察署と連携し、毎年11月に犯罪被害者相談所を開設する取り組みも行なっています。
国の犯罪被害給付制度等のほか、都も、一時的な宿泊費用の支援や見舞金の給付などの支援策を行なっています。こうした経済的支援は、地域によって大きな格差が生じないよう国や都レベルでの広域的な取り組みが求められることから、区に相談や問い合わせがあった場合は、国や都の制度につながるよう丁寧に対応しています。こうしたことから、区独自の制度として経済的支援を行う予定はありません。
区においては、総務課を総合的な相談窓口として担当職員を配置し、犯罪被害者や御家族に寄り添って適切な対応に努めています。また、警察などの専門機関と連携し、各種手続きの補助や日常生活の支援制度を利用できるよう、犯罪被害者等をサポートする体制を整備しています。
犯罪被害者等が受けた被害の回復又は軽減及び犯罪被害者等の生活再建を図るため、行政を含め社会全体で支えていく仕組みを構築していくことが重要です。現在のところ犯罪被害者等支援条例の制定の予定はありませんが、引き続き他の自治体の動向を注視してまいります。
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具体的な取り組みがすぐに行われるわけではありませんが、問題意識についてはご理解をいただけました。
引き地域のみなさまと形にできるまで進めていきたいと考えています。
以前ご紹介させていただきましたが、書籍の出版に関わらせていただきこのテーマについて質問をすることになりました。
引き続きこちらも応援をよろしくお願いいたします。
歌舞伎町で再犯防止について考えてみた – 株式会社 学 文 社 (GAKUBUNSHA)
それでは本日はこの辺で。